今週の提言(コラム)
Symbo からの手紙 ~シンボリック経営の視点~

 

待ち合わせの10分前。

昔ながらの雰囲気のある喫茶店に入ると、

「村田先生、こっちです!」

そこには、
手招きするI社長がいました。

いつもは私が先に到着しているのですが、
今日はI社長が早かったようです。

 
「I社長、お待たせしました。
それにしても、早いですね」

 
I社長は、
美容室を経営する女性社長。

自身も美容師として現場に立ちながら、
ある激戦区で、2店舗を経営しています。

 
「相談したいことを、いろいろと考えていたら、
早く着いちゃいました」

いつも明るく、
身振り手振りを交えて話すタイプのI社長とは、
前職からのご縁で、
度々、経営の相談に乗っていたのです。

 
I社長お気に入りの
ちょっと贅沢なスペシャルコーヒーを2つ注文し、
早速本題に入りました。

 
「早いもので、開業して20年になります。
20年も経つと…、そろそろ後継者のこととか、
いろいろと考えなければならないな…と思っているのですが、
問題があるんですよ…」
 

話は続きます。

 
「問題というのは、
”お客さまの若返り化”が進まないことなんです」

 
これは、
美容師など、人に依存するビジネスにとっては、
”あるある問題”

 
”お客さまは、自分の鏡”
社長の年齢と、お客さまの年齢は比例するのです。

 
30代の社長には、30代のお客さまが、

40代の社長には、40代のお客さまが、

50代の社長には、50代のお客さまが、

不思議というべきか…、

必然というべきか…、

そうなるケースが多いわけです。

 
30代で独立したI社長も、
いまでは50代。

その当時、30代だったお客さまも、
当然ながら歳を重ねているわけです。

 
I社長は、続けます。

「私以外のスタッフは、20代~30代。
店舗の内装も若い女性が好むものに変えているのに、
お客さまの年代は、40代~50代…。

その年代が悪いわけではないけど、
先のことを考えると、若い世代にもお客さまになってもらわないと…

 
一通り話を聞いたあと、
私は言いました。

 
「これは難しい問題ですよね。
内装を変えたり、若いスタッフを入れたとしても、
このお店は、”I社長のお店”
I社長が、このお店の象徴なんです

 
「I社長が象徴だったからこそ、
この激戦区で2店舗・20年も続いているわけです。
それは素晴らしいことです」

 
「I社長の代で、お店を閉めるのであれば、
このままでも良いのですが、I社長の考えは違いますよね。
将来的に後継者にバトンタッチすることを考えているなら、
I社長以外の象徴、シンボルに移行していくことを考えた方が
いいですね」

 
「あと、大切なことは、”口コミは、身内から起こる”
ということ。

いま働いてもらっている若いスタッフの意識を変えることを
やっていかないといけないですね」

 
”長く愛される美容室をつくりたい”
I社長の想いを知っていた私は、
シンボルの大切さを、以前からお話ししていたのですが、
自分事にならないと、なかなかどうして…、

耳には入っていかないものです。

 
I社長はいま、
シンボルをつくるために、
これまで、そして、これからを真剣に考えています。

 
シンボルをつくり、それが浸透するには時間が掛かります。
 
簡単ではありませんが、

”いま”動いたことで、
5年後、10年後の未来は、
きっと大きく変わる。

いま動いていなかったら、
社長が歳を重ねるとともに、お客さまも歳を重ね…、

長く愛される美容室の実現は難しかったでしょう。

 
とはいえ、

10年後といっても、
そのとき、I社長は、まだまだ60代。

 
人生100年時代ですから、
時間もあり、お金もあり、そして、健康もある。

豊かな高齢者になるためにも、
長く愛される美容室をつくることは、
大いに役立つでしょう。

 
”あなたの会社にも、シンボリックを!”

私自身もまだまだ頑張らなければ!
I社長からは、いつもパワーをもらっています。

 

 

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