♪ポーン
よーいドン!の合図のように、
一斉に動き出す飛行機内。
「さぁ、着いたぞ!」
気合を入れて、
頭上の荷物棚から荷物を取り、
流れ作業のように移動しながら、
到着ロビーに降りると…、
つなぎ姿の男性が、
こちらを見て、手を挙げています。
A社長でした。
「村田先生、遠いところありがとうございます」
いつもは、
スタッフのKさんが迎えに来てくれるのですが、
今日はA社長直々に。
「何かあるのかな…?」
そんな思いを巡らせながら、
A社長が運転する車に乗りました。
A社長が運転する車…、
それは…、
”軽トラ!”
そうです、
A社長は、
ある地方都市で農園を経営しているのです。
よく見ると、
つなぎの膝あたりには泥が…、
忙しい中、
仕事を中断し、
わざわざ迎えに来てくれたようです。
東京にいると、
なかなか乗る機会のない軽トラに揺られながら、
山道を走る。
外からの風を受けながら、
冒険家のような気分を味わっていると、
A社長が話し始めます。
「いや~、最初は疑ってたんですよ」
そう笑いながら話すA社長。
「シンボルで経営が良くなるんだったら、
こんなに楽なことはない、そう思ってたんですよね。
そう思いながらも…、なんか…、引っ掛かる…。
この気持ちを取り除くには、とりあえずやってみるか…、
一か八かの懸けでしたよ」
「でも、いざやってみると、
シンボルを考えることは、経営を考えること。
単純にキャラクターをつくるのとは、全然違いました。
これは…村田先生に謝らなきゃな…と思って、
今日はお迎えにあがりました」
ちょっと照れ臭そうに、
首にかけたタオルで汗を拭うA社長。
「まぁ、それが正常な反応ですよね。
私がA社長でもそう思いますよ。
多くの会社では、
シンボルを、戦術のひとつとして考えます。
商品・サービスのアイコンをつくり、
それを販促につかう。
カッコいいロゴマークや、
かわいいキャラクターをつくって、
名刺に印刷する。
これらも、シンボルの活用方法であることに
間違いはありませんが、
中小企業の場合には、それだけではもったいない。
戦略に活かすことで、
本当に意味があるシンボルになると思うんです」
そんなシンボル談義をしながら、
農園へと向かいました。
私たちがつくるシンボルには、
”自分たちの理想がカタチになって現れている”
自分たちの会社、商品・サービスの魅力を
思う存分詰め込んているわけです。
その魅力には、
いまはまだ手にしていない、
”未来の魅力”
これも含まれています。
そうなると、
実際の会社、商品・サービスも
その魅力に追いつき、
追い越さなければならない。
「カッコばっかりだな…」
周りにそう思われたら、
それこそカッコ悪い。
シンボルが笑われないように、
経営全体を考える思考に変わってくるのです。
つまり、
シンボルを戦略的に考えることで、
戦術であるはずのシンボルが、戦略になる。
お客さまの視点で見ても、
スタッフの視点で見ても、
シンボルに詰め込んだ魅力が反映されている。
企業の外側・内側、
両面から経営を強化するのが
シンボリック経営です。
しかし…、
そのシンボルをつくるのは容易ではありません。
「頭から煙が出るぐらい考えましたよ。
”文字の量は、思考の量に比例する”
村田先生の言葉が、毎回プレッシャーでした…」
到着した農園では、
スタッフのみなさんが作業をしていましたが、
私を見ると、作業をやめて、
「村田先生、こんにちは!」
会社の明らかな変化を感じる挨拶に、
とても嬉しくなりました。
A社長の農園は、
いま、新商品開発に取り組んでいます。
「シンボルを考えてなかったら、
この新商品はなかったですよ」
きっと、
シンボルに込めた魅力が反映された商品になることでしょう。
シンボルで飛躍するA社長の挑戦は、
まだ始まったばかりです。
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