169通目:アリの群れに学ぶ、象徴経営の本質。

 
「経営哲学は、自然に学ぶ」
そう語るのは、滋賀県に本拠を置く菓子製造・販売の老舗、
たねやグループCEOである、山本昌仁氏。
 
 
 
東京・大阪・名古屋にも店舗を広げ、
全国区の人気ブランドに成長した、たねやグループ。

 
里山の再現をテーマにした近江八幡市の旗艦店
「ラ コリーナ近江八幡」は国内外から多くの観光客を集めていますが、

その心は、

 
 
”自然に学ぶ経営哲学の実践”

 
 
たとえば私たちは、
今夏もクーラーのお世話にならずにはいられませんでしたが、
自然界に生きるものたちには、クーラーなんてない。
クーラーを使うだけで、自然に影響を与えているわけです。

 
そこで、

 
たねやグループでは、
店頭の紙の手提げ袋を有料化

 
まぁ、

ここまでは良くあることですが、

 
その得たお金の一部を、
アフリカの島国マダガスカルでの植林活動にあてているのです。

包装資材についても、簡略化し、植物由来のものに差し替えるなど、
ドラッカーがいうところの、

 
 
”自らが社会に与える影響を処理するとともに、
社会問題の解決に貢献する”

 
 
マネジメントのひとつを実践しているわけですよね。
これは言うほど簡単なことではありません。

 
 
また、

 
菓子会社でありながら、
昆虫のアリをシンボルマークにしていますが、

その心も、”自然に学ぶ”

アリが持つ群知能を意識してとのこと。

 
アリは好き勝手に動いているように見えて、
全体としてはひとつの方向を向いている。

 
アリの社会は、リーダー不在。
女王アリは産むだけで、指示は出さない。
それでも秩序は保たれ、全体が動き続ける。

 
 
本当のところはアリにしか分かりませんが…、

 
  
それぞれのアリが、

 
”全体の一部である”

 
この前提を理解しているのでしょう。

 
自分の役割を果たすことで、全体が成り立つ。
全体の調和が壊れれば、自分も生き残れない。
 
 
会社組織もまったく同じですよね。
 
肩書があろうとなかろうと、
ベテランであろうと、新入社員であろうと、

社員一人ひとりが、”会社の顔”として意識して動く。
自分の役割を果たすことで、会社が成り立つのです。

 
そして、

 
リーダー不在のアリ社会では、
リーダーの命令に従っているのではなく、
フェロモンに従っている。

 
このフェロモンこそが、”象徴”
象徴こそが、アリ社会のリーダーなのかもしれませんね。

 
 
シンボリック経営®では、

 
”象徴=存続と成長を保証するもの”

 
と定義していますが、

 
それは、

 
ロゴやスローガンのような“見えるシンボル”にとどまらない。

企業の存在理由、文化、信念、そして行動規範…、
これらすべてを貫く“共通フェロモン”こそが、象徴なのです。

 
 
社員が迷ったとき、

 
”象徴に照らして考える”

 
これで、組織は自然に整流される。

 
 
だからこそ、

 
リーダーの役割は、”命令”ではなく、

 
”象徴を設計すること”

 
たねやグループは、1872年創業の100年企業。
山本氏は言います。

 
「伝統とは続けていくこと。
しかし、時代に合わせて修正する柔軟さも大事」
 
 
つまり、

 
”変わらないために、変わり続ける”

 
変えてはならない本質と、変えなければならない形式。
この境界線を見極める感性が、
シンボリックリーダーには、求められているのではないでしょうか?
 
 
企業理念を掲げても、社員が動かない…、

そんな悩みを持つ経営者は多いですが、
アリに答えがある。

 
彼らを動かしているのは、
 
 
”空気(フェロモン)”

 
匂いのように感じ取れる”文化”
分かりやすくいえば、”社風”

 
 
企業理念を掲げても、
日々の所作・言葉遣い・態度などに宿っていなければ、
社員は、その空気を“嗅ぎ分け”行動を合わせていく。

 
逆に、
 
日々の所作・言葉遣い・態度にまで宿れば、
それが結果的に、群れとしての最適解を導く。

 

これが、
 
私たちが提唱しているシンボリック経営®の本質。

象徴は、”文化として香らせるもの”
掲げるだけではダメなのです。

 
 
ということで、

 
 
あなたの会社内に、文化は香っていますか…?

 
この文化の香りが、象徴となる道をつくり、
共鳴を誘発する。

 
”共鳴は命令よりも速い”

 
群知能恐るべしです。

  
 
最後にひとつだけ注意点を…、

 
アリだからといって、
 
「働きアリのように働け!」
 
そんな象徴にしてはダメですよ。

 
 
 
 

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