「寒いですね…」
いつの間にか日没が早くなり、
すっかり暗闇と化した駅のホーム。
厚手のコートを着てこなかったことに後悔しながら、
経営者仲間と談笑して電車を待っているとき、
ふと、スマホの画面に目をやると…、
”懲役1年8ヶ月、執行猶予3年、罰金3,000万円”
ニュースが目に入ってきました。
それは、ある脱税事件の判決でした。
ある脱税事件とは…、
2020年・日本映画の記録を塗り替えたメガヒット映画、
そうです、あのアニメーション映画ですが、
その制作会社・制作会社社長が、脱税で在宅起訴された事件です。
この事件の報道があった当初は、
「儲かり過ぎて脱税か…、よくある話だ…」
それぐらいの認識だったのですが、
どうやら…それだけではないようなのです。
もちろん、
脱税は、どんな理由があろうと
許される行為ではありません
しかしながら、
裁判での被告人質問の受け応えを聞いてみると、
”あることを決めておかないと”、
誰でも、どんな会社でも同じ道を辿る可能性がある…、
そう感じたのです。
それはどんな受け応えだったのか?
被告人である制作会社社長は、
裁判で、こんな証言をしています。
「2020年6月に、脱税容疑で告発されて以降、
新規のアニメ制作の仕事を受けておらず、
それ以前に受けた仕事を続けています。
(告発後の)経営面の問題はなく、
オファーは多数いただいていますが、
最初から赤字と分かっているアニメの仕事を受けるのは
もうやめました」
「アニメ業界では、ヒットする作品は10本に1本といわれ、
いまは、それより少なくなっているかもしれません。
ヒットしないとグッズも売れないし、
カフェにも客が来てくれないから、
必死になって創ると、赤字になってしまう。
アニメ制作に求められるクオリティは、
どんどん高くなっていて、私もスタッフも、
それに応えようと懸命に取り組んでいますが、
クライアントから提示される制作費が安価なため、
毎回、作品を創ると必ず赤字になる。
なんで、赤字の作品を引き受けて
仕事をしているんだろう…と思いながら、
ずっとやってきました。苦しかったです」
どうやら、
脱税したお金は、
足りない制作費の穴埋めに使われていたようなのです。
この被告人質問での発言は、
企業経営を行う上で、
とても大切なポイントを教えてくれています。
それは、
”やりたくないことを決める”
ということ。
先程の制作会社の例でいえば、
”赤字仕事はやらない”
これを、もっと前に決めておけば…、
脱税という罪を犯すことは
なかったかもしれません。
脱税からの再建は、簡単ではありませんが、
”赤字仕事はやらない”
これを決めたことは、大きな意味を持つでしょう。
経営者には、
経営という独立した仕事があります。
それが、
1.企業の方向付け
2.資源の最適配分
3.人を動かす
です。
やりたくないことを決めることは、
1.企業の方向付け
に影響します。
方向付けでは、
何をやるかを決めると共に、
”何をやらないかを決める”
やることを決める経営者が多いのに対し、
やらないことを決める経営者は
意外と少ないのではないでしょうか。
「イヤな仕事ばかり…」
そう言っている経営者の多くは、
やりたくない仕事の文字言語化をしていません。
明確にしていないから、
いつまで経っても変わらないのです。
これは、
付き合いたくない顧客についても
同じことがいえます。
「いいお客さんがいないなぁ…」
そう言っている経営者の多くは、
文字言語化していないのです。
付き合いたい顧客、
付き合いたくない顧客、
それぞれを文字言語化するだけでなく、
”○○さんとは付き合いたい”
”□□さんとは付き合いたくない…”
具体的に考えることで、
より明確になるはずです。
ということで、
”やりたくないこと”
これを明確にすることは、
経営戦略上、とても重要なことです。
シンボリック経営®においても、
大切な要素です。
なぜなら、
やりたいこと、やりたくないこと、
付き合いたい顧客、付き合いたくない顧客、
これらをハッキリさせることで、
会社の軸が、より明確になるからです。
軸が明確でなければ、
経営を変えるシンボリックなど出来るはずはありません。
ところで…、
あなたの企業にとって、
やりたくないことは何ですか?
付き合いたくない顧客は誰ですか?
明確にしない限り、
一生付き合うことになるでしょう。
コワイことです…。
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