「ず～っと考えてますね…」
経営者仲間から相談されました。
なんの相談かというと、
新規サービスについての相談。
どうやら、
やりたいと思っていることがあるのに、
一歩を踏み出せずにいるようです。
「なぜ、踏み出せないのですか…？」
私が質問すると、
「いや…、まだ完璧じゃないんですよ…」
この回答には、
私自身にも心当たりが…。
人はなぜか、
100％完璧にしてからでないと
はじめてはいけないと思っているところがあるようです。
さらに質問します。
「では、その完璧は、いつやって来るのですか…？」
我ながら、意地悪な質問です。
なぜなら、
”完璧など、いつまで待ってもやって来ないから”
この相談者も、
心のどこかでは分かっているはずです。
”はじめない限り、完璧には近づかない”
私の好きな書家である、相田みつをさんの詩には、
こんなものがあります。
「かんがえてばかりいると 日がくれちゃうよ」
行動しない限り、得るものはない。
当たり前の話なのですが、
ついつい…忘れてしまうことでもあります。
つまり、
大切なことは、
”完璧でなくても、動くこと”
お、ねだん以上（お値段以上）
でお馴染みの、
ニトリホールディングス会長の似鳥昭雄さんは、
「創業時は、ハッタリの連続でした。
いかに大きく見せるかを考えていた」
と言っています。
完璧を待たずに、
ハッタリをきかせてでも始めてしまうのです。
1967年、
北海道の札幌に、”１号店”をオープンしたときには、
店名を、
”似鳥家具卸センター北支店”
としたのは有名な話ですよね。
北支店とすることで、
本店や、他の支店があることを連想させて、
”大きい会社 ＝ 安心”
というイメージを利用をしたわけです。
まさに、
ハッタリですよね。
でも、
このハッタリをハッタリのまま終わらせない。
現実に変えたところが、本当に素晴らしいです。
ニトリホールディングスの、
2024年３月期の売上高は、8,958億円、
最終利益は、865億円。
増収増益については、
前期までの36期連続で途絶えてしまいましたが、
それでも素晴らしい業績に変わりはありません。
店舗数は、1,001店舗。
1967年の北支店からはじまり、
こちらも素晴らしいですね。
ハッタリについては、
京セラの稲盛和夫さんも
同じようなことを言っています。
たとえば、
いま、ある注文が入ったとします。
納期は６ヶ月後です。
しかし、
その注文は、いまの能力では難しい。
出来るかどうか分からない…。
「断ろうか…」
安全性を考えれば、
断るという選択も、もちろんありです。
ただ、納期は６ヶ月後。
６ヶ月という時間はあります。
「この６ヶ月の間、
必死に努力して、成長すれば、納期に間に合うのではないか？」
人間の無限の可能性を信じて、受注する選択もできるのです。
こういう場合、稲盛さんは、
「なんとかすれば、なんとかなるんではなかろうか」
人間の”無限の可能性を追求する”
いまの能力で物事を判断しないことが大切であると言っています。
もちろん、ハッタリには、覚悟が必要です。
毎日地味な努力をし、自分の能力を磨き上げていくことが必要です。
「できます！」
ハッタリで言って、
実際にできなければ、それは単なるウソつき。
信用を失います。
ハッタリの裏には、
”やり切る覚悟”
これが絶対に必要なのです。
ということで、
冒頭の経営者には、
本当にやりたいのであれば、
”ハッタリをかましてでも、はじめること”
そんなアドバイスをしました。
もちろん、やるなら覚悟を持って。
誰にとっても、
一歩を踏み出すのは勇気がいります。
しかしながら、
”はじめなければ、得るものは何もない”
以前からお伝えしているように、
シンボリック経営®では、
”企業の５年後を支えるのは新規事業、
10年後を支えるのはシンボリック！”
そう考えています。
構想〇年…が通じるのは映画だけ。
ビジネスにおいては、
長すぎる構想は、致命的です。
なぜなら、
”あなたが考えていることは、ほかの人も考えているから”
きっと、先を越されてしまうでしょう。
完璧を待っていけない。
動くからこそ、完璧が近づいてくるのです。
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