「いまのうちに、組織をつくっておくことが重要ですよ」
経営者仲間であるＴ社長に、
そんな話をしたのが、かれこれ５年ほど前。
そして、
久しぶりに再会したいま…、
Ｔ社長の会社は、
大幅な売上減、資金繰りに窮していました。
当時のＴ社長は、”上り調子”
売上も伸び、資金繰りも順調。
ただひとつ、
私が懸念していたことは…、
”Ｔ社長自身が、ほとんどの実務をこなしていたこと”
いわゆる、
プレイヤーとしての仕事が
大部分を占めていたのです。
しかも、
その実務は、”Ｔ社長にしかできない”
社員を抱えてはいましたが、
すべて、Ｔ社長のサポート業務。
Ｔ社長がいなければ、
仕事が回らない状態だったのです。
そんな状況を見て、
私が発したのが冒頭の言葉、
「いまのうちに、組織をつくっておくことが重要ですよ」
でした。
私たちシンボリック経営®が目指しているのは、
”長く愛される会社、長く続く成功”
打ち上げ花火のような、
パッと上がって、
パッと散るで終わらない成功。
この考えは、
Ｔ社長も同じでしたが、
いままのままでは、
望む結果にはならないと感じていたのです。
長く愛される会社、長く続く成功のためには、
”儲かっている、うまくいっている今のうちに”、
Ｔ社長の分身となる社員を育て、
少しずつ実務から離れること。
これがとても重要なのです。
もちろん、
すべてを手放す必要はなく、
プレイヤーとしての仕事を残してもいいのですが、
集中すべきは、
”経営者の仕事”
具体的には、
・企業の方向付け
・資源の最適配分
・人を動かす
この３つに注力することです。
しかしながら、
当時のＴ社長は、”上り調子”
アタマでは分かっていながらも、
組織づくりには手を付けず、
「まぁ、なんとかなるさ！」
そのまま突っ走ってしまったのです。
とはいえ、
Ｔ社長はひとりしかいません。
抱えられる仕事にも限度があります。
キャパを超えた仕事は、
少しずつ質が落ちていき、
顧客も離れていきました。
そうなってようやく…、
組織づくりの大切さに気づいたＴ社長でしたが、
”うまくいっていない時期の改革は、より難しい”
売上も減り、お金にも余裕がないわけですから、
当たり前といえば、当たり前ですよね。
ということで、
最初はプレイヤーで活躍する経営者も、
どこかのタイミングで、
”真の経営者”
この状態に、
シフトチェンジしていかなければなりません。
そして、
その時期は、
”うまくいっているとき”
これがベストです。
うまくいっているときは忙しく、
それどころじゃないことも、よく分かりますが、
少しずつにでも、
組織づくりに手を付けていくことが大切です。
なぜなら、
経営が傾き出してから組織づくりは難しく、
より大変になるから。
極論をすれば、
売上があるうちは、経営は何とかなります。
しかしながら、
経営者に依存した売上では、
いつか限界が来ます。
売上がなくなってくると、
資金繰りに問題が出てきます。
資金繰りに問題が出てくると、
経営の本来の目的である、
”お客さま第一主義”
から、
”資金繰り第一主義”
になり、
経営者の感覚も、ギスギスしてきます。
そのギスギスは、
社員にも伝わり、会社の雰囲気も悪くなり、
やがて社員も離れる…。
つまり、
悪循環となり、
改革どころではなくなるわけです。
だからこそ、
”うまくいっているときにこそ、組織づくりをする”
これが重要で、
企業の延命につながるのです。
ところで、
あなた会社では、
あなた自身の売上に依存していませんか…？
プレイヤーとしての仕事も、
もちろん大切なことですが、
経営者のあなたにしか出来ない仕事があるのです。
５年先、10年先…、
あなたの会社は、
どうなっているでしょうか…？
もしあなたが、
シンボリック経営®と同じく、
”長く愛される会社、長く続く成功”
これを目指しているなら、
真剣に考えてみましょう。
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