60通目:”安定という名の停滞”、変化に気づかないカエルは死ぬ。

 

「妙に落ち着いちゃってるんですよね…」
ブラインドを指でちょっと広げて、
社長室からオフィスを覗くS社長。

 
S社長の会社が属する業界は、
言葉を選ばずに言えば、”斜陽産業”

既に成熟期を過ぎ、
今後、大きな発展を期待するのは難しいと言われている業界です。

 
S社長の会社も例外ではなく、
売上は右肩下がり。

ただし、下がってはいるものの、

”緩やかな下り坂”

今日、明日で会社がどうにかなってしまう…、
という状況ではありません。

 
つまり、

緩やかな変化は
”時間的な猶予”を与えてくれるわけですが、

緩やかであるがために、
その変化に気づきづらいという面があります。

 
たとえば、

「どこが変わったでしょうか!」

映像の一部が少しずつ変わっていく

”アハ体験”

なんていうクイズがありますが、

あれ…、

難しいですよね…。

 
何かが変わることを知ったうえで、
そのうえで集中して見ているにもかかわらず、
なかなか気がつかない…。

ということは…、

日常生活での緩やかな変化は、
よほど集中していないと気がつかないですよね…。

 
この状態が、
S社長の冒頭の言葉、

「妙に落ち着いちゃってるんですよね…」

に現れています。

緩やかな変化が、
悪い意味での安定を生み出しているのです。

 
それに対して、

成長している企業というのは、
いい意味での不安定さがあるものです。

たとえば、

レーダーチャートをつくると、
開発力など、どこかが突出している、
”いびつな形”になります。

突出しているところがある反面、
経理・総務など、まったくダメなところがある…、

そんな企業の社内は、
落ち着きとは正反対の状況にありますが、
突出部分が牽引役となり、
強い組織に化けていきます。

  
つまり、

”適度な不安定が、アハ体験をつくる”

悪い意味での安定から抜け出し、
変化に気づかせるためにも、
意図的に不安定をつくることが重要なのです。

 
そのために必要なことは、

”社長の考えを、文字言語化すること”

ありきたりなことですが、
とても重要なことです。

 
なぜなら、

社長がやりたいことを実現するためには、
いまの組織に足りない部分が
どうしても出てくるからです。

 
その足りない部分を埋めていく過程が、
新たな気づきをもたらす
ひとつのアハ体験となるのです。

 
”変化に気がつかないカエルは死ぬ”

いきなり熱湯に入れられたカエルは、
驚いて逃げ出しますが、

常温の水に入れられたカエルは、
徐々に温度を上げられても気がつかず
逃げるタイミングを失う…。

いわゆる、

”ゆでガエル理論”

ですね。

 
とはいえ…、

これに科学的根拠はなく、
あくまでたとえ話のようですが…、

”小さな変化に気づくこと”

そして、

”その変化に対応すること”

ビジネスにおいて重要なことを教えてくれています。

 
ということで、

S社長の会社では、
文字言語化の作業を進めています。

・社長がやりたいこと

・社長の想い

・斜陽産業からの脱却(新規事業)

・社員にどうなってもらいたいか

・売上や利益などの数値目標

などなど、
これらを文字言語化することで、
いまの組織に足りないものが明確になってきています。

  
緩やかな変化に気づき、
その変化に対応しようとしているS社長の会社は、
悪い意味での安定から、きっと脱するでしょう。

 
あなたの会社に、小さな変化は起きていませんか?

会社内が妙に落ち着いているとしたら…黄色信号です。
意図的な不安定をつくり、組織に変化を加えていきましょう。

 

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中小企業の経営コンサルティング・経営戦略のシンボリック経営研究所
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