「この方法でトライするべきだと思います」
定期的に参加している、お客さまの会議で
Aさんが発言します。
Aさんは、
その会社では、中堅社員。
社長・副社長に次ぐ、NO.3の人材です。
何回か会議に参加するうちに
私の中で、Aさんの評価が固まりつつありました。
その評価とは、
言葉を選ばずに言えば…、
”会議番長!”
会議でいうことは、とても立派なのですが、
それが行動に結びついていないのです。
私は、
会議終わりに、
K社長に言いました。
「K社長、
これまでAさんが言ってきたことは、
残念ながら結果に結びついていません。
結果に結びつかないばかりか、行動すらしていない…、
そんな気がするのです。
行動しているとしたら、”部下に丸投げ”
立派な提案も、上司が動かなければ、前には進みません。
そこで、次回の会議では、
今回の提案の進捗状況を確認して、
具体的な方法論、期限を突っ込んでください」
私からの言葉に、
K社長は、一瞬ためらいの表情をしました。
おそらくK社長も、
口だけのAさんことは分かっていたはずです。
そのうえで、
Aさんに突っ込みを入れられない自分に、
忸怩たる思いもあったのだと思います。
多くの経営者の方は、
「部下に対してモノが言えないなんて信じられない!」
そう思うかもしれません。
しかしながら、
人数の少ない中小企業では、
時として、パワーバランスがおかしくなることがあるのです。
続けて私は言いました。
「K社長、
このままでは、会社がおかしな方向に行きますよ。
”会議の場だけやり過ごせれば、給料がもらえる”
極端な話、Aさんは、そんな風に思っているかもしれません」
「ビジネスの基本は、”言行一致”
言っていることと、やっていることに矛盾があれば、
そのうち、Aさんの発言を誰も聞かなくなりますよ。
そればかりか、
そんなAさんを許しているK社長に対しても、
信頼がなくなります」
「K社長として言いづらければ、
私の名前を使ってでも、突っ込んでください。
そのときの突っ込みは、
メジャラブル(=測定可能)にしてください。
いつまでに、何を、どうやって、
曖昧な抽象論ではなく、測定可能なもので答えさせてください」
「測定可能な第一は、やっぱり数字ですよね。
数字で答えさせる企業文化をつくっていくことで、
この会社の成長スピードは、一段と速くなるでしょう」
私の話を聞いたK社長は、
しばらく考えていました。
そして…、
「分かりました。
私自身の意見として、次回の会議では突っ込んでいきます。
それでもダメなときは…、村田先生のお名前を使わせて頂きます。
パワーバランスについては、いつの頃からか…、
気づいたときには、ちょっとおかしくなっていました。
そこから戻そう、戻そう…と思ってはいたのですが、
ズルズルとここまで来てしまいました。
いいきっかけを与えて下さってありがとうございます。
分かってはいても、
なかなか…自分からは行動できないものですね」
そんなやり取りをしてから行われる
初めての会議。
私自身は参加していませんでしたが、
会議終わりで掛かってきた電話の第一声で
うまくいったことが分かりました。
もしかしたら、
Aさんは居づらくなって辞めるかもしれません。
企業文化を変えようとすると、
必ずその副作用が出てきます。
言うまでもなく、
中小企業にとって、人材を失うことは
とても大きなことですが、
そのリスクを背負ってでも、
やらなければならないことがあるのです。
しかし…、
K社長の会社では、
その心配は無用かもしれません。
K社長は会議終わりで、
Aさんを誘って飲みに出掛けたそうです。
”フォローを忘れない”
これは大切なことですよね。
ということで、
あなたの会社には、会議番長はいませんか?
言ったことをやらせるのは、上司の責任です。
ひとつ上の階層が積極性を持つことが、
とても重要なのです。
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