12通目:儲けのポイントはそこじゃない! 目に見えているものが真実とは限らない。

 
「村田先生、これ儲かりそうなんで、やってみようと思うんですけど、
どう思いますか?」

 
経営者が集まる勉強会の二次会で、
飲食店経営のM社長に声を掛けられました。

 
「イケると思うんですよ」

2~3枚の資料を片手に話すM社長。
その資料には、
飲食店の、あるサービスについて書かれていました。

 
一通り目を通した私は、
M社長に質問しました。

 
「M社長は、なぜ、このビジネスが儲かると思ったんですか?」

 
M社長は答えます。

「いや~、この間参加した、飲食店経営者の集まりで知り合ったT社長が
このビジネスをやっていて、話を聞いていたら儲かりそうだなと…」

ちょっと…雲行きが怪しくなってきました。

  
私は続けて質問します。

「なるほど、そのT社長は、実際に儲かってるんですね。
ところで、どれぐらい儲かっているんですか?」

 
M社長はちょっと困りながら…、

「それは…ちょっと分からないな…。
でも、景気が良さそうだったよ」

 
ますます…、雲行きが怪しくなってきました…。

このままだとマズイと思った私は、
さらに続けて質問します。

 
・そのT社長は、いつからこのビジネスをやっているのですか?

・このビジネスで必要な投資には、どんなものがありますか?

・どれぐらいの売上・利益を見込んでいますか?

・M社長の周りの飲食店で、この商品をやっているところはありますか?

・そのサービスは参入しやすいですか?

・そのサービスは撤退しやすいですか?

・その商品は、ウォンツ商品ですか? それとも、ニーズ商品ですか?

・その商品は、誰が担当しますか?

・その商品は、他人に説明しやすいですか?

・広告宣伝はどうしますか?

・他の商品との相乗効果は?

・その商品寿命はどれぐらいだと思っていますか?

・その商品を買ってくれるのは誰ですか? 具体的な名前を挙げてください。

・その商品を買わない人は誰ですか? 具体的な名前を挙げてください。

…、
…、

 
かれこれ…、

1時間ぐらい、いろいろ話していました。

  
私とM社長の2人で話していたはずが、

気がつけば、
二次会に参加していたO社長、G社長も加わり、
さながら、戦略会議のようになっていました。

 
戦略会議を終えて(!?)
M社長は言いました。

 
「T社長が儲かっているのは、
この商品だから…ってわけじゃなさそうですね…」

 
人間というのは、
いつの時代も、

”隣の芝生は青く見える”

表面だけを見て、
飛びつきたくなるものです。

 
「いや~、儲かって儲かって仕方ないよ!」

なんて言われたら、
私でも飛びつきたくなりますが、
ちょっと引いて、よく考えれば分かります。

 
世の中は、”正負の法則”
何かを得るためには、何かを失っている。

きっと、
そのT社長も、裏では苦労しているはずです。
表面だけで判断するのはキケンなのです。

 
ということで、

”ビジネスに模倣は重要”

模倣といっても、
表面だけマネした、いわゆるパクリではなく、
考え方、構造、骨組み、仕組み、パターンなど、
その本質を考え、理解し、自身のビジネスに活かすこと。

ゼロ → 1が素晴らしいのはもちろんですが、
既にある1を、100にも、1,000にもすることも
立派なビジネスの戦略です。

 
そして、
最後に私はM社長に言いました。

 
「M社長、ガッカリすることはありませんよ。
儲けのニオイ、もっと俗っぽく言えば、”金のニオイがした”
この嗅覚は、経営者として、とても重要です。
このビジネスにも、もっとよく考えれば、きっと何かがあるのだと思います。

さらに言えば、
この嗅覚を、他業界に向けてみるといいかもしれませんね。
同じ飲食業界ではなく、他業界。

そこに、圧倒的な差別化につながる道がある確率が高いと思うのです」

 
模倣…については、
シンボリック経営®にも当てはまります。

「キャラクターをつくればいいんだろう」

「ロゴをつくればいいんだろう」

そんな風に考えている人もいるますが、
それはまさに、”表面の話”

見えない裏側にこそ、本質があるわけです。

 
M社長はいま、
突如始まった戦略会議の内容を社内に持ち帰り、
精査しているそうです。

世間をあっと言わせる新商品が
誕生するかもしれませんね!

 

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中小企業の経営コンサルティング・経営戦略のシンボリック経営研究所
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