118通目:良性の赤字と、悪性の赤字を見極める。

 

「今期も赤字になりそうです」
決算について話すY社長。

 
今期”も”…、

 
ということは、連続赤字です。

経営者としては、
心中穏やかではない状況のはずですが、
Y社長は冷静でした。

 
 
なぜなら、

 
 
”赤字の原因が特定できているから”

 
 
そして、

 
 
”その赤字が、成功するために必要な赤字である”

 
 
これが分かっているからです。

 
 
いくら赤字の原因が特定できていたとしても、

改善の見込みのない、

ただ垂れ流すだけの赤字であれば、

冷静ではいられないはずです。

 
  
つまり、

 
 
赤字は赤字でも、
そこには、
良性と悪性があるということですよね。

 
Y社長の業界は、
コロナの影響をまともに受けた業界でした。

  
 
”売上90%減”

 
 
いつ倒産してもおかしくない状況に陥りながらも、
状況を冷静に把握。

 
「会社が倒産するのは、お金がなくなったとき」

 
コロナ前から私がお伝えしていたことを思い出し、
早々に資金調達に着手。
億単位のキャッシュを確保しました。

 
 
とはいえ、

 
 
当初は、

原因は特定できているものの、

先は見えない悪性の赤字。

夜中に、不安で目が覚めることも
何度もあったようです。

 
 
そんな状況でも、

 
 
Y社長は、諦めませんでした。

この時期は、
精神的にも、肉体的にも、
相当キツかったと思います。

 
悪性を良性に変えるべく、
人材の配置転換や、業態転換など、
出来ることはすべてやり、赤字幅を縮小。

私とのミーティング回数も増えていきました。

 
 
そして、

 
 
黒字化までもう少し…、

 
そんなときに、

何度も何度もミーティングを重ね、

新規事業に参入。

 
 
一時的に赤字は増えましたが、
良性の赤字といえるもので、
冒頭の冷静さにつながっているのです。

 
 
しかしながら、

注意点もあります。

 
 
それは、

 
 
”良性も悪性になる可能性がある”

 
 
ということ。

 
病気と同じで、
適切な処置を行わなければ、
良性も悪性に変わってしまうのです。

 
 
先の新規事業への参入でいえば、

 
 
”耐えられる限度”

 
 
というものがあります。

 
「何年以内に結果が出なければ撤退」

 
「累積赤字がいくらになったら撤退」

 
といった、

 
 
”撤退基準を持っておくこと”

 
 
これが重要なのです。

 
これを持たずに、

有望な案件だからと、無制限に投資を行えば、
成功する確率があるとはいえ、
ある日突然、
悪性に変わってしまうことがあるのです。

 
 
シンボリック経営®の基本的な考え方のひとつに、

 
 
”企業の5年後を支えるのは新規事業、
10年後を支えるのはシンボリック”

 
 
というのがあります。

 
 
初めからうまくいく新規事業はまれで、
多くは困難が待ち受けています。

 
”ヒト・モノ・カネ・情報”

 
そして、

 
”最も大切な時間”

 
これら有限の資源を、
どこまで使うことが出来るのか…?

 
制約条件をしっかりと考えない限り、
良性な赤字の範囲も見えてきません。

 
 
ということで、

 
 
あなたの会社には、
良性の赤字の定義はありますか…?

これを知らない状態での赤字は
キケンです。

 
 
シンボリック経営®では、

  
”企業の5年後を支えるのは新規事業、
10年後を支えるのはシンボリック”

 
この合言葉の元、
長く続く成功、長く続く組織づくりを行っていきます。 

 
 
 
 

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