93通目:その、「しなければならない」は、本当か・・・?

 

「これは・・・、止めておいた方がいいですね」
私の言葉に、
かすかに・・・眉を顰めるS社長。

 
たとえ言いづらいことでも、
言わなくてはならないのが、私の仕事です。

 
S社長の会社では、
健康食品のネットショップを展開しているのですが、

「止めてほいた方がいい・・・」

というのは、
そのネットショップのリニューアルです。

 
なぜなら、

リニューアルページを
しばらく操作していた私の感想が、

”確実に操作しづらくなっている”

だったからです。

 
確かに見た目は良くなりました。

商品写真も撮り直して、
デザインも一新。

 
しかしながら、

 
肝心の、

”お客さま視点が抜けているのです”

 
商品の購入もしづらい、

以前は簡単に出来ていた、お届け日の変更なんて・・・、

 
ある程度、
ネットショッピングに慣れている私でさえ、

「めんどくさい・・・、電話しよ・・・」

そう思うほどのレベルでした。

 
続けて私は言います。

 
「リニューアルをした方は、
このサイトで買い物をしたことがないと思いますよ。

買い物をしたことがあったうえで
このリニューアルであれば、
それはそれで問題です」

 
以前の「今週の提言」でも触れましたが、

私たちは、

”一番厳しいお客さまの目になる”
 
これが絶対的に必要なのです。

 
カッコいいサイト!

なんていう自己満足は要らないのです。

 
振り返ってみると、

今回のお客さまのサイト以外でも、
リニューアル後、改悪されたものって
意外と多いような気がするのです。

 
「前の方が使いやすかった」

「何のためのリニューアル・・・?」

「このリニューアル、誰得なの・・・?」

そんなコメントが、ネット上に多数・・・、
あなたも心当たりがあるかもしれません。

 
この裏にあるもののひとつに、

”リニューアルしなければならない”

そんな強迫観念があるのではないかと思います。

 
ちょっと話は逸れますが、

最近、TVを見ていると、
転職サイトのCMをよく見るような気がします。

 
若い世代の中には、

”転職しなければならない”

”キャリアアップしなければならない”

そんな空気感があるように思うのは、
私だけでしょうか・・・?

 
これと同じように、
周りがリニューアルしだすと

”リニューアルしなければならない”

そんな焦りのようなものが
出てくるのではないかと思うのです。

 
もちろん、

変えること自体は、悪いことではありません。

 
問題なのは、

変えるべきことと、

変えるべきではないこと、

この区別が出来ていないことなのです。

 
Amazonのジェフ・ベゾスは、
あるインタビューで、こう答えています。

 
「よく聞かれる質問があります。

今後10年で変わることは何ですか?

でも、次の質問は、ほぼ聞かれないのです。

”今後10年で、変わらないことは何ですか?”

この質問の方が、
何が変わるか・・・よりも重要です」

 
「なぜなら、
時代を超えて、変わらないものが分かれば、
それを中心に、ビジネスの戦略を立てていける。

 
小売業であれば、顧客は低価格を求めている。
速い配送を求めている。

これは10年後も変わらないでしょう」

 
「だって、想像できませんよ。

”ベゾスさん、私はAmazonの大ファンなんですが、
もっと価格が高ければいいのに、もっと配送が遅ければいいのに”

そんな顧客が増える未来は・・・」

 
笑い話のようですが、
この話は、本当に重要なことを言っています。

 
ネットショッピングであれば、

 
「もっと買いづらければいいのに」

「操作が複雑だったらいいのに」

 
これを望む顧客が増える未来は、
あり得ないわけです。

 
ということで、

 
繰り返しになりますが、
大切なのは、”お客さま視点を持つこと”

 
それも、

”一番厳しいお客さまの目を持つこと”

この目で変えていかなければならないのです。

自己満足の変化なら、
やらない方がマシです。

 
自問自答してみてください。

「それは、誰のための変更ですか?」

 
S社長の会社では、
いま、リニューアルのリニューアルを行っています。
 
 
変えるべきものと、

変えるべきではないもの、

この基準は、
内部視点ではなく、外部視点であること。

 
シンボリック経営®では、
これが重要であると考えています。 
 

 
 
 
 

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