88通目:一見同じに見える、はキケン。 同じと、同じようなものは、根本的に違う。

 

「毎朝、経営理念の唱和をさせられてましたね」
保険金不正請求問題のビッグモーターが
連日、報道で取り上げられています。

 
中でも、

経営計画書の存在がクローズアップされていますが、

その存在が、

”悪”

かのように扱われていることに違和感を覚えます。

 
たとえば、

経営の原点12ヵ条。

 
これは、

みなさまならお分かりになるかと思いますが、
京セラ・稲盛和夫さんの丸パクリですよね。

 
12ヵ条の中には、

”燃える闘魂”

経営には、いかなる格闘技にもまさる激しい闘争心が必要。

 
というのがありますが、

これをナレーションによる印象操作なのか・・・、

 
「儲かるためには何でもやれ!」

的なイメージで伝えています。

 
しかしながら、

稲盛さんが言っているのは、
もちろん、そういうことではありません。

 
稲盛さんには、

【燃える闘魂(毎日新聞社)】という著書もありますが、

その中には、こう書いてあります。

 
-以下、引用

 
「いまの日本に必要なのは、
この「負けてたまるか」という強い思い、いわば「燃える闘魂」である。

戦後の経営者たちみんな、
「なにくそ、負けてたまるか」
と闘魂を燃やし、

互いに競い合い、切磋琢磨しながら
日本経済を活性化してきた」

 
「いまの日本には、
十分な資金も、優れた技術も、真摯な人材もある。
足りないのは「燃える闘魂」
すなわち「なにくそ、負けるものか」という強い思いだけである」

 
「経営者みずから、
こうしたいという強い「思い」を抱き、
いかなる格闘技にも勝る激しい闘争心で経営に取り組めば、
必ずや事業を成功へと導くことができる」

引用ここまで-

 
また、
 
稲盛さんのホームページには、こうあります。
 
-以下、引用

「小さな企業であっても、経営者は従業員を守るため、すさまじいばかりの闘魂、
闘志を持って企業間競争に臨まなければ、勝負になりません。
そのような、”絶対に負けるものか”という、激しい思いが必要不可欠です」

 
「柔弱でケンカをしたこともなく、闘魂のかけらも見受けられない人でも、
経営者となった瞬間、従業員を守るために敢然と奮い立たなければ、信頼は得られません」

引用ここまで-

 
ビッグモーター兼重宏行社長が
どこまで自分自身の中に腹落ちさせて、
この経営12ヵ条を採用したのか・・・?

 
最初は正しく理解していたものの、
儲かったことで初心を忘れてしまったのか・・・。

 
あるいは、

 
そもそも、

「経営計画書をつくると儲かるらしいよ」

儲けの手段として採用しただけなのか・・・。

 
昨日の記者会見を見る限り、
答えは・・・言わずもがな。

みなさんはどう感じたでしょうか。

 
ということで、

 
大切なことは、
 
”本質を理解して、真似ること”

表面だけを真似ても、意味はありません。

 
一見同じに見えるはキケン。

”同じ”と、

”同じようなもの”

これはまったく違うものなのです。

 
経営理念についても、
軍隊のように唱和させればいい・・・、
とでも思っていたのかもしれませんが、

 
従業員たちの感覚は、

”やらされている”

そもそも論を理解させなければ、
理念の浸透など、ほぼ不可能。
冒頭の言葉がすべてです。

 
そして、

改めて思うのが、

”何を言うかより、誰が言うか?”

 
同じ言葉でも、
言う人によって、効果は180度変わります。

 
ビッグモーターの従業員たちは、

「お前が言うな!」

経営幹部が言うことに対して
こう思っていたことでしょう。

 
コミュニケーションは、意味と意識。

言葉自体の意味は分かっても、
その意識まで伝わっているのか否か?

 
ビッグモーターには、
恐怖政治が蔓延し、
コミュニケーションに問題があったのだと思われます。

 
それにしても・・・、

 
昨日の記者会見は
悪い意味で歴史に残りますね。

 
言いたかったことは、ただひとつ。

”すべて従業員のせい”

倒産へのカウントダウンのゴングが、
私には聞こえました。 

 
さて、

あなたの強い思いは、
従業員に正しく伝わっているでしょうか?

 
”そもそも論から、しっかりと伝える”

シンボリック経営®で大切にしていることのひとつです。

 
 
 
 

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