67通目:社長しか売れないもの、社員でも売れるもの。

 
「これだけのラインナップがあります」
そう話すK社長。

 

その言葉とはウラハラに、
どこか浮かない顔をするK社長。

その答えは、
商品別の収支を見ることで
すぐに分かりました。

 
たしかに、

商品ラインナップは複数ありますが、
そのどれもが中途半端。

どんぐりの背比べ状態で、
突出するものがないのです。

 
K社長は言います。

「どの商品も、自信はあるのですが、
売る力が弱いんですかね…」

その話しぶりから…、

どうやら、

社員たちの販売力に不満があるようです。

 
ということで、

まずは、

K社長から
すべての商品についての説明を受けることにしました。

 

説明を受けた段階で…、

「問題点の90%は見えた!」

名探偵の閃きのような…、

そんな感じがしました。

 

その確証を得るため、

続いて、

販売を担当する社員からも
すべての商品についての説明を受けたところ
確信に変わりました。

その問題点とは…、

 

端的に言えば、

”社長しか売れない商品になっている”

ということ。

 商品ラインナップは複数あるものの、

その違いは…、

”微差”

商品をつくったK社長にしか分からない。
わずかな違いだったのです。

 

現に、

社員たちに商品の違いを聞いてみると、
歯切れが悪い。

売る側が違いを理解していなければ、
売れるはずがありません。

この、商品ラインナップ問題は、
売れない企業の”定番あるある”のひとつです。

 

あれもこれも…、

複数用意して、店構えを整えたいのが人情ですが、
買う側からすると、選択肢が多いのも困りものです。

その選択肢の違いが明確であればまだしも、
それが不明確ときたら…、

何も買わずに帰る確率が高まるわけです。

 
そういえば…、

その昔、車を買おうと思って
あるディーラーに行ったのですが、
あまりのオプションの多さに眩暈がして…、

帰った記憶があります…。

 
ということで、

大切なことは、

”絞る”

ということ。

 
あれもこれも…、

そう思う気持ちは分かりますが、
広げれば広げるほど、売りにくくなるのです。

 
経営戦略とは、

何をやるかを決めると同時に、
何をやめるかを決めること。

商品サービスでいえば、
その会社の顔となる商品サービスをつくる。

「この会社といえば、コレ!」

その会社の代名詞、象徴となるものを
まずはつくること。

これが本当に重要なことです。

 
とはいえ…、

分かっちゃいるけど…、

絞るのが難しいのも事実。

 
経営者の勘も重要ですが、
外部環境・内部環境を分析し、
しっかりと判断することが重要です。

そして、

顔となる商品サービスをつくったら、
社員たちにも、しっかりと教育すること。

絞って、理解させれば、売りやすくなるのは確実です。
社員でも売れるものをつくらなければなりません。

 
ただし、注意点もあります。

それは、

”絞った先を見据える”

ということ。

 
入り口は絞るも、出口は広く。

言い方を変えれば、

”一度のお客さまを、一生のお客さまに変える”

一度買って頂いて、満足して頂いたお客さまに対しては、
その先の商品サービスを提案できるようにする。

絞っただけでは、
企業は先細りするだけです。

商品ラインナップは戦略そのもの。
しっかりと考える必要があります。

 

ということで、

K社長は、
シンボリック経営®の導入過程で、
商品ラインナップの再考をしています。

 
あなたの会社には、
あなたの会社を象徴する商品サービスはありますか?
あれもこれも…手を出していませんか?

 

絞る戦略で、対象となるお客さまを明確にして、
そのお客さまを、一生のお客さまに変えるべく出口は広げる。

 

さて、
あなたは、どんな商品ラインナップをつくりますか? 

 
 
 
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中小企業の経営コンサルティング・経営戦略のシンボリック経営研究所
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