52通目:情報を活かすのは、”意味付け” あなたは情報に意味を付けているか?

 

「だいぶ浸透してきましたよ」
社内の全体会議を終え、
会議室から出てきたE社長が、
ホッとした笑顔を見せます。

 
浸透してきたもの…、

それは何かというと…、

”数字”

正確に言うと、”数字の意味”です。

 
これまでのE社長は、

「今期の売上目標は○○○、目標利益は□□□…」

ただ単純に、金額を言っているだけでした。

 
そうなると…、

社員はポカーン…。

置いてけぼりとなり、社長の独演会状態に…。

 
意味も分からぬまま、
数字だけを追いかけさせられる社員たちは、
どこか他人事。

会議でも、的外れな問答が繰り返されていたのです。

 
この様子を見ていた私は、
E社長に提案しました。

「E社長、E社長の頭にあることを、
きちんと文字言語化しましょう」

 
たとえば、

・なぜ、儲からないといけないのか?

・儲かることで、会社はどう変わるのか?
 
・儲かるためには、粗利はどれぐらい必要なのか?

・会社の安定のためには、どれぐらいの現預金が必要なのか?

・儲かるためには、どこに力を入れていけばいいのか?

などを文字言語化し、
社員たちと共有するのです。

 
すると、E社長は、

「それ、いいですね! 
でも、いざ文字言語化するとなると…、
なかなか骨が折れそうですね…」

漠然とした、抽象的な問いほど、難しい。
E社長も、それを感じたようです。

 
早速、考え始めたE社長に、
私は言いました。

「E社長、これをやる場合には、注意が必要です。
それは、数字の公開が絡んでくるということです

「E社長の会社では、
社員に対して、会社の数字は公開していませんでしたよね。
公開しているのは、全体会議で話す売上高ぐらいでしょうか。

でも、数字に意味を持たせるということは、
数字の公開もある程度必要になります。
いわゆる、OBM(オープンブック・マネジメント)です」

OBMは、一度始めたら、止められません。
止めたら、”何で公開しないんだ!”、不満と不安が起きるからです。
OBMをやるには、社長の覚悟が必要です」

 
私の話を聞いたE社長は、

「確かに…、そうですね…。
いいときは公開できても、悪いときは…あまり後悔したくないですよね…」

しばらく悩むE社長。

  
「それでは、次回までの宿題に…」

そう言いかけたときに、

「やりましょう!」

自分自身を納得させるように、
力強く、E社長が答えました。

 
「いつかはやらないといけないと思っていたので、
いま、やりましょう!」

社長の仕事は、”決断すること”
決断さえできれば、あとは進むしかない。
E社長の経営者としての資質を感じました。

 
決断したE社長に、
私は、こんなアドバイスをしました。

「どうせなら、いろいろな情報の整理をしていきましょう。

たとえば、
取扱商品ごとの利益率や、取引先ごとの利益率、
取扱商品の在庫率など、これまでやっていなかったことを
整理していきましょう」

会社は、たくさんの情報を持っていますが、
ほとんどの情報は死んでいます。

”情報には、意味をつける”

そのうえで集計させ、社内に発信・共有していかないと
宝の持ち腐れです

「ただし、注意点もあります。
情報は使わなければ意味がありません。
最初は使っていても、時間の経過とともに、
情報を集計すること自体が目的になってしまうことがあります。
あくまで、使うことを目的として、きちんと仕組みを作っていくことです」

 
ということで、

少しずつ情報に意味を持たせ、
活用し始めたE社長の会社の業績は上がっていくことでしょう。

なぜなら、
数字・情報を通しての、共通言語が出来たから。

的外れなやり取りは消え、
業務効率のアップが実現できるからです。

 
シンボリック経営®でも、
シンボルを中心に、共通言語をつくっていきます。
社長と社員が同じ認識になることで、
組織力は間違いなくアップします。

 
あなたの会社では、
社長と社員の認識は、同じものになっていますか?

共通認識のためには、
文字言語化の力はもちろん、
シンボルの力で可視化することも大切なのです。

 

✅メルマガでしか書けないこともあります。
✅登録は無料、ノーリスクです! 下記をクリック!

中小企業の経営コンサルティング・経営戦略のシンボリック経営研究所
関連キーワード

Twitterでフォローしよう