126通目:短所を改善すると、どうなるのか…?

 
「Aさんの、こういうところがダメなんですよね」
あるお客さまの会議で、
ダメ出しを連発するN社長。

 
 
このダメ出しは、

 
社員・取引先を問わず、
あらゆる人の話をしていました。
 
 
私は黙って聞いていましたが、

正直なところ、

あまりいい気持ちはしませんでした。
 
 
なぜなら…、

 
 
ダメ出しの枠を超えて、
ある意味、悪口になっている部分もあったからです。

 
 
一般的に人間というのは、
悪いところの方が目につきやすいもの…。

 
私自身もそれを否定しませんが…、

 
 
”良いところに目を向ける”

 
 
この意識を持つことは、
とても大切だと思うのです。

 
 
いわゆる、

 
 
”カラーバス効果”

 
 
ですよね。

 
「今日のラッキーカラーは、”青!”」

 
そんな情報を目にしてしまうと、
青色が自然と目に入ってくる…というあれです。

 
 
意識したことは、
自然と目に入ってくる。
この仕組みを利用しない手はないわけです。

 
 
経営学者ピーター・ドラッカーも、
次のようなことを言っています。

 
 
「成果をあげるには、人の強みを生かさなければならない。
弱みからは何も生まれない。

結果を生むには、利用できる限りの強み、

すなわち、

同僚の強み、上司の強み、自らの強みを総動員しなければならない」

 
 
目につきやすい悪いところは、

いわば、”短所”

 
その短所ばかりが目につき、

イラつき、注意して、

自分自身もストレスを溜める…。

 
 
そこまでして短所を直しても、

それは、

”普通になっただけ”

 
  
であれば、

 
 
その労力を、

 
 
良いところ = ”長所”を見つけ出し、
その長所を、より伸ばすために費やした方が、

 
その人にとっても、

その会社にとっても、

世の中にとっても、

いいはずです。

 
 
冒頭のN社長の会社では、

 
”短所を改善する”

 
これにばかり力を入れていました。

 
 
そうなると、

 
  
悪いところを指摘せざるを得ないので、
会議の空気も重くなります。

 
 
これが積み重なった結果、

 
 
「会社に行きたくないなぁ…」

 
 
そんな雰囲気も出てきしまったのです。

 
 
もちろん、

 
 
見逃していい短所と、

見逃してはいけない短所があります。

 
 
”挨拶が出来ない”

 
 
など、

最低限のマナー、
コミュニケーションが取れないといったことは
改善しなければなりませんが、

 
 
”営業は得意だけど、経費精算は苦手…”

 
 
そんな人がいたら、

経費精算を完璧にやらせたい気持ちも分かりますが、
そのせいで、営業の時間が減り、売上が減ったら…、

意味がないですよね。

 
 
そうではなく、

経費精算が得意な人がフォローしてあげればいい。

  
 
弱みをカバーし合い、
強みを発揮することが出来る組織が、
強い組織であることは、
誰も疑いようがないはず。

 
 
そのためにも、

 
 
まずは、

 
 
”長所を見つけること”

 
言い方を変えれば、

 
”長所を見つけようと思うこと”
 
 
放っておけば、

短所ばかりが目についてしまうのが、
人間なのです。

 
 
ということで、

 
 
あなたは、
社員の長所を把握していますか…?

 
 
そして、

 
 
その長所を伸ばすために
労力を費やしていますか…?

 
 
長所に目を向ける社風をつくれるか否かは、
経営者である、あなたの発する言葉にかかっています。

 
短所を責めるだけの発言をしていないかどうか…?
ちょっと振り返ってみましょう。

 
 
 
 

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