105通目:大企業は正しいは、本当か・・・?

 
「こんな返事が来ましたよ」
そういって、
メールのプリントアウトを手渡すA社長。

 
そのメールを見て、

私は愕然としました・・・。

 
まずは、
事の経緯を説明しましょう。

 
ある日、

私のお客さまのところに、
取引先から、封書が届きました。

 
その封書には、
ある税務判断についての記載がされていたのですが、

その判断は、
私のお客さまにとっては、不利になる判断でした。

 
A社長から、
アドバイスを求められた私は、

 
「この判断には、納得いかない点もあるので、
一度、投げ返してみましょう」

 
こちらの考えを、
参考資料を付けて、
論理的に投げ返したのです。
(ちなみに、私は税理士でもあります)

 
その返事が、

冒頭の返事なのですが・・・、

 
この返事も、すんなり来たわけではなく、
何週間も待たされた挙句、
催促してのものだったのです。

 
そして・・・、

  
肝心の返事の中身ですが、

 
「〇〇(←大企業名)にも、同じ条件でやってもらっているので、
この条件で了承してもらいたい」

 
簡単にいうと、こんな感じでした・・・。

 
こちらの意図をまったく理解していない。
おそらく、参考資料も読んでいないのでしょう。

 
初めから結論ありきで、
検討すらしていない。

 
この取引先自体も、
そこそこの大企業ではありますが、
大企業で働いている人が、

  
「大企業がやってるから間違いない」

 
という、

まったく論理的ではない返事をしてくることに、
愕然としたのです・・・。

 
再度、アドバイスを求められた私は、

 
「この担当者には、何を言っても無駄ですね。
この担当者が、上に掛け合う気概がある人なら良かったのですが、
どうやら今回はそうではなさそうです」

 
 
 
「ここからは経営判断となります。
相手との関係性を考慮してのやり取りが必要になります。

これからも付き合っていく相手であれば、
これ以上、先方に何か言えば、仕事をなくすリスクもあるでしょう」

 
 
 
「だからといって、
すべてを受け入れるのは違います。
もう一度だけ、参考資料も含め説明しておきましょう。

そのときは、メールではなくて、
電話か、対面の方がいいですね。
どうしても、メールだと誤解されたり、つっけんどんな印象を与えてしまいます」

 
 
 
「そのうえで、
こちらの考えをしっかりと主張し、
万が一、税務調査が入り、否認指摘された場合には
損失についての話し合いの場を持たせてほしい、
など、事前に要求しておきましょう」

 
もちろん、

私の意見が間違っている可能性も十分にあるわけですが、

 
大切なことは、

 
”論理的に考えているか否か”

 
ということ。

 
先方の返事が、
論理的であれば、
こちらも考えることが出来たのですが、
そうではないので・・・、

何とも判断が難しいところです。

 
ということで、

 
「大企業だから間違いない」

 
大企業だから大丈夫という
思考停止の前例主義は、キケンなのです。

 
また、

 
「前例がないからやらない」

そんな思考停止も、よくありますよね。

 
確かに、

前例があれば、安心です。
失敗する確率は低いです。

 
しかし、

それでは、

 
”新しい何かは生まれない”

  
シンボリック経営®の考え方のひとつが、

 
”企業の5年後を支えるのは新規事業、10年後を支えるのがシンボリック”

 
これまでも、
何度かお伝えしてきましたが、

現状維持のまま、
長く続く成功、長く愛される企業は
あり得ないのです。

 
どんな会社の経営でも、

 
”経営は、環境適応業”

 
世の中の変化に対応して、
変化していかなければ、生き残れません。

 
そのときに、

 
”前例がない”

 
これが通用しないのは、
コロナショックでも、よく分かったと思います。

 
さて、

 
あなたの会社内では、
思考停止語を聞くことはありますか・・・?

 
その思考停止語の放置から
会社がおかしくなるのです。

 
 
 
 

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