80通目:明文化と浸透のあいだ。

 
「経営理念やミッション、ビジョンなどが明確であることが、大前提ですね」
コンサルティングの現場で、何度も繰り返す言葉です。

 
ありきたりなことですが、
これが本当に重要なことです。

 
企業の方向性、
何のために、この会社があるのか?
最近の流行り言葉でいえば、”パーパス”

 
これがないと、
仕事は、単なる作業。
お金のためだけに働くことになります。

 
東京商工リサーチが実施した
「中小企業の経営理念・経営戦略に関するアンケート」では、
経営理念・ビジョンを明文化していると回答した企業の割合は、

”87.1%”

約9割の企業が明文化しているとのこと。

 
しかしながら・・・、

大切なことは、
それが、社員に浸透していること。

明文化していることは、
必要条件であって、十分条件ではないのです。
 
 
とはいえ、

浸透させることは、
言うのは簡単、実行するのは難しいことのひとつです。

 
私が関わった企業でも、
経営理念やビジョン、ミッションを
スラスラ答えられる社員は、
ほとんど・・・と言っていいくらい、いませんでした。

 
その理由は簡単で、

”浸透させる努力をしていない”

 
たとえば、

朝礼の実施時に、理念の唱和をする。

 
唱和をすること自体、昭和だと・・・と言われてしまいそうですが、
唱和の仕方を工夫すればいい。

何も大声で唱和する必要はないのです。
普通のトーンで話せばいい。

 
そして、

そのときには、プラスアルファ。

経営理念・ビジョン、ミッションにまつわる話を、
持ち回りで行う。

  
たとえば、

お客さま対応の際に、自身が取った行動が、経営理念に則していたか否か?

〇〇さんの対応が、ビジョンに則していて見習いたい、

あるいは、

単純に、経営理念・ビジョン、ミッションに対して思うこと。
他社事例を話してもいい。

 
ただ唱和するだけでなく、
プラスアルファで考える習慣を付ける。

「何かを話さなくてはいけない・・・」と思うと、
日頃から考えるのが人間ですよね。

 
まぁ・・・、

最近は、朝礼自体やっていない企業もあるかと思います。

やるとなったら反発もあるとは思いますが、
やらないと浸透することはありません。

 
あともうひとつは、
シンボリック経営®で大切にしている可視化です。

経営理念・ビジョン、ミッションをシンボルに込める。
シンボルに語れるヒミツを埋め込むことです。

「このシンボルには、実は・・・」

シンボルが誇りとなるように、
経営者自身が、言行一致した行動を取ることも
必須です。

 
そのためにも、
シンボルは、適当に考えてはダメなのです。

経営理念やビジョン、ミッションという土台から
しっかりと考えること。

 
さらには、

”共感”

コミュニケーションにおいて、
共感することは、とても重要です。

 
「オレの高級車を維持するために働け!」
は共感できませんが、

「お客さまの笑顔のために働こう!」
は共感できますよね。

 
極端な例ではありますが・・・、

共感できない経営者の元では、
働く意欲は湧きません。

 
ということで、

シンボリック経営®では、
シンボルを中心とした経営で可視化をしていきます。

 
最終的には、
シンボルを中心とした一枚のシートで、
社員たちに会社の方向性を説明していきます。

 
”浸透させるためには努力が必要”

何度も何度も同じ話をして、
コミュニケーションを図る。

 
稲盛和夫さんも、
組織づくりにはコンパを活用していたそうですが、

額に入れた経営理念では、
人は動かないのです。

 
さて、
あなたの会社の社員は、
あなたの会社の経営理念やビジョン、ミッションを理解していますか? 

 
 
 

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中小企業の経営コンサルティング・経営戦略のシンボリック経営研究所
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