160通目:肩書に宿る洗脳効果。

 
「段ボール屋と言わない」
段ボール業界を牽引する存在として
業界改革を進めてきたレンゴー株式会社CEO・大坪清氏の言葉です。

 
  
荷物の配達には欠かせない段ボール。
ECショップの広がりとともに、その存在感も増しているわけですが、
それをつくっている人たちはというと…、

 
 
自らを段ボール屋と呼んで、自分自身で卑下している…、
そんな印象を、大坪氏は感じていたようなのです。

 
「段ボール屋という言葉をやめて、”段ボール産業”と言おう」

 
そう何度も何度も呼び掛けて、
自意識を変えることから、改革を始めたそうです。

 
 
ピーター・ドラッカーがいうところの、

 
 
”事業を定義づける”

 
 
ということにも、つながる話ですよね。

 
その昔、こんな話を聞いたことがあります。

 
”用務員のおじさん”

 
どの学校にもひとりは必ずいる、用務員のおじさんですが、
この言葉を聞いて、みなさんの頭の中には、
どんなイメージが浮かんできましたか・・・?

 
おそらく、

 
「掃除をしたり、蛍光灯を替えたり…、雑用をやってるイメージ…」

 
多くの方は、こんな感じだと思うのです。
 
 
 
つまり、

 
 
”用務員のおじさん”という言葉が持つイメージが、
実際の用務員のおじさんをつくってしまうのです。

 
そこで、

 
ある学校では、名前を変えたそうです。

 
 
”学校施設管理アドバイザー”

 
 
すると…、

 
用務員のおじさんの働きぶりが、劇的に変わったとのこと。

 
 
「私は何をする人なのか?」

 
 
どんなセルフイメージを持つかで、
仕事に誇りが生まれ、取り組み方が変わり、
得られる成果が変わってくるのです。

 
定義づけひとつで大きな違いを生む。
これは、恐ろしいことですよね…。
 
  
ということで、

 
 
あなたがやっているビジネス、
あなたの社員たちが行っている業務について、
定義づけをしてみましょう。

 
そのときのポイントは、

 
 
”顧客価値から定義する”

 
 
ということ。

 
たとえば、

 
経理の社員について考えてみましょう。
この場合の顧客は、会社全体です。

 
 
一般的には、

 
”数字をつくる人”

”数字をまとめる人”

 
ちょっと突っ込んで、

 
”会社の屋台骨を支える人”

 
そんな定義づけだと思うのですが、

 
 
”企業を飛躍に導く数字のスペシャリスト”
 
 
  
これだったらどうでしょうか?

  
経理の仕事は、基本的には過去の数字を取り扱っています。

 
「これ、今回の請求書だからよろしく」

 
他部署から回ってきた請求書を処理するときも、
定義づけが変わったことで、
単なる事務作業から、同じ請求書でも見え方が変わる。

 
 
この会社の経営状態は大丈夫なのか…?

この価格は適正なのか…?

このデータは、今後のために統計を取っておこう!

などなど、

 
 
仕事の幅が、未来の数字に広がると思うのです。

 
 
まずは、

 
 
”あなたの社員たちは、どんな定義づけで仕事をしているのか?”

 
普段の何気ない会話から、これを探ってみましょう。

変に卑下したり、あるいは逆に、高飛車だったりした場合には、
定義づけを変える必要があります。

 
 
イトーヨーカ堂の創業者である伊藤雅俊氏は、

イトーヨーカ堂の若いバイヤーが、
自分の父親ぐらいの年齢の仕入先担当者を、
立たせたまま怒鳴りつけている光景を目にしたとき、

若いバイヤー全員を、営業の現場に配置換えし、
現場で苦労した人をバイヤーにする方針に変えたそうです。

 
このケースでは、
イトーヨーカ堂という会社のチカラを、
自身のチカラと勘違いした悪いケースですが、
良くも悪くも、定義づけは影響するので注意が必要です。

 
 
ということで、

 
 
”あなたの会社は、何屋さんですか?”

 
 
顧客価値から定義づけしてみましょう。

象徴化することで、社員たちの仕事ぶりが変わり、
お客さまからの見え方も変わってくるはずです。

 
 
5年後、10年後…、

その定義が、あなたの会社に飛躍をもたらしていることでしょう。
 

 
 
 
 

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