36通目:アイデアの正しい考え方。これを間違えると、会社は潰れる。

 
「これ、絶対いけると思うんですよ!」
興奮気味に話すF社長。

 
どうやら、

経営課題のひとつであった、新規事業を見つけたようです。

 
シンボリック経営®では、

”企業の5年後を支えるのは新規事業、
企業の10年後を支えるのはシンボリック!”

これを基本方針としています。

 
どんな商品・サービスであっても、

導入期・成長期・成熟期・衰退期…、

いわゆる、”ライフサイクル”というものは存在します。

 
たまに…、

コカ・コーラのような、
なかなか衰退期が見えてこない、お化け商品もありますが、
基本的には、このライフサイクルを辿るわけです。

 
つまり、

長く続く成功、長く愛される企業をつくるためには、
新規事業への展開は必須。

F社長にも、新規事業を考えてもらっていたわけですが、
もちろん簡単なことではありません。

 
F社長には、
新規事業を考えるにあたり、
次のようなアドバイスしました。

 
それは、

”まずは、既存事業をしっかりと見直すこと”

当たり前のように聞こえるかもしれませんが、
意外と疎かにしがちなのです。

 
新規事業を見つける…というと、

まったく別の何か、いままでになかったものを…、

この視点から入る人が多いのですが、
これだと、ただでさえ難しい新規事業のハードルが、
さらに上がってしまいます。

 
まずは、既存事業をしっかりと見直す。
そのうえで、次のことを考えるのです。

・既存商品・サービスを、既存のお客さまに売る。
 
・既存商品・サービスを、新規のお客さまに売る。

 
つまり、”既存事業の徹底”

どうしたら、既存のお客さまにもっと買ってもらえるのか?

どうしたら、新規のお客さまに買ってもらえるのか?

これらを徹底的に考えるのです。

 
既存事業で売上を増やせる余地があるなら、
まずはそちらを優先するのが、至極当然の流れです。

既存事業をやり切ったあとで、
新規事業のことを考えても、遅くはないのです。

 
また、”新規のお客さまに売る”

いままでにない顧客ターゲットを開拓することは、
新規事業ともいえます。

 
たとえば、

・男性向けに売っていたものを、女性向けにして売る。

・女性向けに売っていたものを、男性向けにして売る。

・大人向けに売っていたものを、子供向けにして売る。

・子供向けに売っていたものを、大人向けにして売る。

これらも、立派な新規事業ですよね。

 
つまり、

”新規事業は、既存事業から生まれる”

ということ。

 
既存事業を徹底していくことで、
新規事業のアイデアも生まれてくるのです。

 
冒頭の話に戻ります。

「これ、絶対いけると思うんですよ!」

苦労の末に、ようやく新規事業を見つけたF社長。
喜ぶF社長に、私は、私の役目として、水をさしました。

 
「F社長、しっかりと考えて、新規事業を見つけ出したのは
本当に素晴らしいと思います。

しかしながら、それは仮説に過ぎません。
アイデアは、あくまで仮説なのです。

大切なのは、ここからです。
そのアイデアの成功確率を高めるために、
いろいろな人の意見を聴いて、多面的に見て、育てていきましょう。

経営者には、
情熱の目で見ると同時に、冷めた目で見ることも必要です。

もしかしたら、
いまのF社長は、情熱の目が強すぎるかもしれませんね。

せっかくのアイデアですから、じっくりいきましょう」

 
誰でも、水をさされるのは、
気持ちのいいものではありません。

F社長も、きっといろいろ思うところがあったと思いますが、
素直に受け入れてくれました。

 
素直、言い方を変えれば、謙虚さを持っているF社長は、
成功するだろうな…、改めて思いました。

 
「自分の言うことが絶対!」 
そんな経営者の方も、たまにいらっしゃいますが、
これだと、長く続く成功は難しくなります。

なぜなら、周りが離れていくから。
聞く耳を持たない人には、何も言わなくなるのが人間なのです。  

 
ということで、

”アイデアは、あくまで仮説”

これは、忘れてはいけないことです。

 
仮説である以上、絶対はありません。
仮説が絶対であると信じて、経営判断を行うことが、
どれだけ危険なことであるか…、

みなさまも十分に分かっていると思うのですが、
アイデアが思いついたときは、

得てして…、

「もしかして、天才かも!」

そんな錯覚をしてしまうものです。
私自身にも、心当たりがあります…。

 
経営判断を間違えないためにも、
アイデアは仮説であることを理解する、

そして、

周りからの指摘に耳を傾けられる素直さを持つこと。

これらは本当に大切なことです。

 
さて…、

”あなたの会社の5年後”

どんな新規事業で支えていきますか? 
 

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