「名前を間違って送るんだよね・・・」
ある経営者の集まりで、気心の知れたS社長がポツリ。
これは、
社員が送るメールの話。
どうやら、
相手の名前の漢字を、間違って送ることが多いようなのです。
私は、S社長に聞きました。
「社員には、どんな風に注意したの・・・?」
気心の知れた相手です。
分かり切ったことを聞くなよ・・・そんな空気を感じながら・・・、
S社長は答えます。
「それは・・・、
名前を間違えるのは失礼だから、
何度も確認してから送りなさい、だよ」
この答えを聞いた私は、
「それでは、また間違えるよ」
なんで・・・?という顔をするS社長に、
続けて言います。
「だって、その社員は、たぶん確認してから送ってるはずだよ。
もちろん、S社長から見たら、チェックが甘いのかもしれないけど、
それでも確認はしてるはず」
「その人に対して、もっと確認しろ・・・というのは、
あんまり意味がないし、社員は社員で、
”確認してるよ!!!”
そんな逆切れをしているかもしれない(笑)」
「それよりも、具体的な行動を指示してあげないと。
たとえば、うちの場合だったら、
”相手から届いたメールの署名欄をコピーすること”
こういうルールにしてるよ。
相手から届いたメールの署名欄なら、絶対に間違えないよね」
「とはいえ、
署名欄がない場合もあるし、
一発目のメールが、こちら発信の場合もある。
その場合は、そもそもコピーするものがないから、
慎重に確認してから送るように指示してるよ」
「そうすることで、
”どういう場合には、より慎重に確認すべきか”
これが、明確になるので、ミスも少なくなると思うんだよ」
私の話を聞いたS社長は、
「ふ~ん、そんなもんかね・・・」
まんざらでもない顔をしながら、
メモっている・・・(笑)
今回は、たまたま私が教えた格好になりましたが、
いつもはS社長から教えてもらうことの方が多い。
お互いに切磋琢磨できる同志がいるというのは、
有難いことです。
ということで、
大切なことは、
”具体的な指示を出すこと”
つまりは、
”仕組み化”です。
Amazonのジェフ・ベゾス氏も言っています。
「繰り返される問題や、何度も何度も起こる事象を発見したとき、
私たちは、往々にして、チームを集めて、
もっと頑張るように、もっとうまくやるようにと要求する。
本質的に、人々の善意を求めるわけだが、
これでうまくいくことはめったにない。
何かを実現するには、優れた仕組みが必要だ」
相手の善意に期待して、
「あれだけ言ったんだから、きっとやってくれるだろう・・・」
これはキケンなのです。
もちろん、
自主的に、率先して、
いろいろ動いてくれる社員がいる会社もあるでしょう。
しかし、
誤解を恐れずに言えば、
それは、
”奇跡!!!”
一般的には、
なかなか、そんな社員には巡り合えません。
これは、社員が悪いのではなく、
それが普通なのです。
大切なことは、
最初から善意を期待するのではなく、
まずは、
仕組みをつくり、
その仕組みを浸透させること。
そして、
仕組みをつくることが、
その企業の文化・風土になったとき、
はじめて善意が期待できるのだと思います。
シンボリック経営®では、
その文化・風土をつくっていきます。
文化・風土をつくるのは、簡単なことではありません。
時間も掛ります。
だからこそ、
”文化・風土が育った会社は強い!”
きっと、仕事も楽しくなるはずです。
ということで、
あなたの会社では、
社員の善意に頼っていることはありませんか・・・?
それは、いつか必ず破綻します。
そうなる前に、
その善意を仕組み化していきましょう。
あなた自身は、言うまでもないと思っていることでも、
言わないと分からない、言われても分からないことがあるのです。
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