「なんだよ・・・、おかしいな・・・、納得できない!」
これは、若き日の私のココロの声です。
私が修行していたコンサルティング会社では、
社員の毎月の給与が、オープンにされていました。
その給与には、
前月の仕事に対する査定額も反映されているのですが、
冒頭のココロの声は、この査定に対するものでした。
通常業務以外に、
臨時案件をこなし、
かなりの売上、利益を上げた翌月。
査定を楽しみにしていたのですが、
なんと・・・、
”ゼロ”
まったく反映されていなかったのです。
対して、
通常業務しかやってこなかった同僚には、
プラス査定が・・・。
ココロのうちは、
モヤモヤしたものを抱えながらも、
「まぁ・・・、Aさん(同僚)は、見えないところで会社に貢献したんだろう・・・」
そう自分自身に言い聞かせ、
萎えるココロをなんとか奮い立たせていました。
こんな経験が何度かあったある日。
この会社では、
定期的に上司との面談があるのですが、
思い切って聞いてみたのです。
「〇月は、臨時案件もこなし、
売上も〇千万円伸ばし、利益率も良かったと思うのですが、
翌月の査定が付かなかったのはなぜでしょうか」
すると、
その上司は・・・、
「あ、ごめんごめん、忘れてたわ~」
そのひと言で終わりました・・・。
かといって、
忘れていたプラス査定が
その後戻ってくることはなく・・・、
私の中に、
ただモヤモヤが残っただけでした。
これは、
決してお金の問題ではありません。
お金はもちろん大切ですが、
”公平に評価されていない”
評価する側の人に、評価する能力がない。
評価することを簡単に考え過ぎていることが問題なのです。
もちろん、
公平に評価することは簡単ではありません。
かなり難しいことです。
私自身のアピールも足りなかったのかもしれません。
だからといって、
適当に評価していたら
職場の雰囲気がおかしくなるのは間違いありません。
同期入社と、
たった100円でも給与に差がついていたら、
気にするのが人間なのです。
大切なことは、
”公平に評価しようと思うこと”
そのためには、
その社員を良く知り、
その社員の仕事を理解し、
その社員をよく観察し、
そのうえで、
その社員の仕事の成果を評価することです。
ここで注意しなければならないのは、
努力賞ではなく、
成果に焦点をあてること。
「頑張ったからね!」
これも大切なことは間違いないのですが、
これで評価をすると、それはそれでおかしくなってしまいます。
つまり、
”人事情報は、社員に対するメッセージであるべき”
なのです。
たとえば、
プロジェクトチームをつくるとき。
社内から優秀なメンバーを集める必要がありますが、
そのときには、一気にメンバーを決めない。
これは、
織田信長が採った人材育成法でもありますが、
織田信長は、側近20人を選ぶときに、
19人を発表したそうです。
19人を発表することで、
「まだ1枠ある! 私にもチャンスがある!」
選ばれなかった家臣たちは、
切磋琢磨するわけです。
これが、
一度に20人全員を発表してしまったら、
選ばれなった家臣たちは、ノーチャンス。
不貞腐れて、仕事が疎かになるかもしれません。
ということで、
”人事情報は、社員に対するメッセージであるべき”
自身の社員時代を思い出して、
どんな情報の与え方であれば、
やる気が湧いてくるのか・・・?
そして、
その根底にあるのは、
”公平であること”
そもそもの公平性がない中で、
頑張ろうと思える社員は、そう多くはないでしょう。
あなたが社員時代に思っていたことには、どんなことがありましたか・・・?
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