「すみません、めちゃめちゃ寝坊しました」
ある建設会社の洋上風力事業を追った、
ドキュメンタリー番組での社員の行動が、
ちょっとした話題になっています。
寝坊して、
遅刻している状態の社員。
その社員が、
最初に向かった先は…、
”食堂！”
食事をしっかり摂ったあと、
上司の元へ…。
特に慌てる様子もなく、
ヘラヘラしながら最初に発したのが、
冒頭の言葉です。
（ちなみに、その社員は入社４年目）
これに対して、
上司は…、
「お疲れさまです。気をつけてください」
以上…。
それを見兼ねた
直属の上司ではない先輩社員が、
「俺が代わりに言う。
朝、遅刻したら、飯を食う前に、上司に謝りに来いよ。
仕事と遊びは違うんだから、守らないとダメ。
あなたの言うことを、職人さんが聞かなくなるよ。
みんな見てるんだから」
一部のSNSでは、
この注意した先輩社員のことを、
「みんなの前で言わなくてもいい。パワハラだ！」
なんて言われているようですが、
本当にそうでしょうか…？
注意されなければ、
「遅刻しても、この程度か…」
この社員は、
きっとまた、同じことをしていたでしょう。
「みんなの前ではなく、裏で注意すればいい…」
そんな意見もあるとは思いますが、
それはそれで周りに悪影響を及ぼします。
周りで見ている社員に、
「うちは、遅刻に寛大なんだ」
そんな間違った認識を植え付けてしまうからです。
遅刻に限らず、間違ったことをしたら叱ることは、
正しい認識のためにも、必要なことなのです。
いずれにしても、
この遅刻した社員は、
注意してくれた先輩社員のお陰で、
救われたと思います。
遅刻を繰り返せば、
周りからも信用されなくなり、
そのうち、
浮いた存在になっていたかもしれないからです。
人間ですから、誰にでもミスはあります。
大切なのは、ミスをしたあとの行動。
その行動次第で、
ミスをカバーできることもあれば、
ますます評判を落とすこともあるのです。
それよりも…、
今回の件で問題だと思うのは、
”叱れない上司”
です。
映像を見る限りでは、
”部下に関心がない”
そんな印象を受けました。
「注意するのも面倒だし…、
注意して嫌われたり、恨まれるのもいやだなぁ…。
自分の仕事に集中したいし、適当にあしらっとくか…」
こんな気持ちが感じ取れました。（あくまで私の印象です）
社員にとっても、
その場では叱られずに済むので、
「いい人！」
そんな勘違いをするかもしれませんが、
いい人でも何でもなく、ただ甘いだけです。
甘さと優しさは違います。
本当に優しい人は、
部下の成長を願って
注意してくれる厳しさも持っているのです。
確かに、
何かあれば、すぐに、
「パワハラだ！」
そんなことを言われるご時世です。
注意しづらいのも分かりますが、
腰が引けて注意できないのはダメです。
私のクライアントからも、
「日中、連絡がつかない社員がいる」
「営業職なのに、金髪にしてきた」
「何度言っても、提出物の期限が守れない」
などなど、
問題社員の相談を受けることがありますが、
「明日から来なくていい」
そう言えるだけの信念を持って
仕事をすることが大切だと思うのです。
もちろん、
ブラクック企業で、
このセリフを言うのは論外ですが、
そうではなく、
良い仕事をして社会に貢献する。
仕事を通して、社員の能力を伸ばす。
社員に、働きがいと経済的幸せを与える。
この信念を持って、
出来る限りのことをやったうえで、
それでも問題を起こすのであれば、
このセリフを言えばいいのです。
全力も尽くさずに、
問題ばかりを起こす社員にいてもらっても、
お互いに不幸になるだけです。
仮に、
それで訴えると社員から言われても、
堂々と受けて立てばいい。
もちろん、
弁護士の方との相談は必須ですが、
こちらに非がないと思えば、
闘うべきだと考えています。
大切なことは、
”適当に仕事をしていれば、居られる会社”
社員にそう思われないことです。
雇う側も、
雇われる側も、
”全力を尽くすことが、この会社に居られる条件”
そんな社風・組織風土をつくることが大切であり、
シンボリック経営®が目指しているところでもあります。
ということで、
あなたは、きちんと叱っていますか…？
”優しく、そして、厳しい”
経営者は、
甘い…と思われたら終わりです。
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