113通目:社員を信用している、の意味。

B!

 
「終わりました」
ある日、T社長からの連絡が入りました。

 
私がお願いしていたことが終わったという連絡でしたが、

 
私自身…、

 
この連絡を信じていませんでした。

 
 
というのも、

 
T社長とのやり取りで分かったことがあるからです。

 
 
それは…、

 
”T社長自身では、中身の確認を一切していない”

 
ということです。

 
 

私がお願いしたことを、

社員に丸投げし、

社員からの終わった報告を受け、

そのまま私に連絡してきているのです。

 
ひとつのお願いごとに対して、
3回目の「終わりました」報告でしたが、

  
中身を確認すると…、

 
今回も出来ていませんでした…。

 
 
T社長の仕事ぶりは、

 
よく言えば、

 
”社員を信用している”

 
悪く言えば、

 
”無責任”

 
私の印象としては、

 
どちらかというと…、

 
無責任に感じるものでした。
 
 
 
もちろん、

社長業が忙しいのは重々承知しています。

 
「そんなチェックまでやってられない!」

 
そういうこともあるでしょう。

 
 
しかしながら、

 
T社長の無責任な仕事ぶりが、
社員の仕事ぶりに影響しているのです。

 
 
ちょっと話の角度は変わりますが、

従業員の不正問題が出るか否かは、
責任感の有無が大きく影響していると考えています。

 
たとえば、

預金通帳について。

 
私は、クライアントのみなさまには、

 
”毎月1日に、預金通帳のチェックをすること”

 
をオススメしています。

毎月1日だけでなく、
複数回チェックすることが望ましいですが、
最低でも、1ヶ月に1回はチェックする。

 
 
そこには、

  
”会社は、お金がなくなったときに倒産する”

 
責任を持って経営するためには、
預金残高の定期的なチェックが必要である、
という意味合いがありますが、

それだけではありません。

 
「預金通帳をチェックしているぞ!」

 
という社員へのアピールの意味もあるわけです。

 
社長がチェックしていることが分かれば、
魔が差す…なんてことも減りますよね。

 
私が見る、T社長の仕事ぶりは、

 
”預金通帳をチェックしていないようなもの”

 
「どうせ社長もチェックしてないし…、適当にやっておけばいいんじゃないの」

 
T社長の職場の雰囲気からは、
こんな空気を感じるのです。

 
 
まぁ…、

 
T社長も、

薄々、この空気を感じていたからこそ、
シンボリック経営®で変えたいと思ったのでしょう。

 
 
ということで、

 
T社長には、

無責任である旨を伝え、改善のお願いをしました。

 
”指揮官先頭”

 
T社長自身が、
まずは責任感を持って、仕事をすること。

経営者が変わらなければ、
何も変わりません。

 
 
経営の神様である、松下幸之助さんは、
こう言っています。

 
「責任を問われるところに生きがいがあり、
人としての価値もある」

 
とかく、

責任を負うのをイヤがる風潮がありますが、

責任を問われることが大きければ、大きいほど、
それだけ価値が高いことをやっている、
ということであり、

そこに、
働きがいや、やりがいがあるわけですよね。

 
そのためには、

 
以下のことが重要な要素と考えています。

 
・ダブルチェックをやらない。

 業種によっては、ダブルチェックが必須のところもありますが、
 なるべくならやらない。

 誰かが見てくれる…と思うと、
 気の緩み・甘えが出るからです。

 
 
・責任範囲の明確化は諸刃の剣。

 責任範囲を明確にすると、無責任社員が増える。

 皮肉なものですが、

 責任を持たせるために、責任範囲を明確にしたことで、

 ”自分の責任の範囲しかやらない”

 そんな社員が出てきます。

  
 大切なのは、”責任感を持つこと”

 会社のミッション・ビジョンなどの存在意義をしっかり伝えることが
 重要になってきます。

 
 
・褒めること。

 いい仕事をしたときには、心から褒める。
 褒められればやる気が出るのが人間ですよね。

 また、成果を出した分、経済的な幸せを還元することも大切です。

 
 
ということで、

 
あなたの会社では、
責任を持つことが、働きがいや、やりがいにつながっていますか…?

 
「責任だけ負わされて、やってられない!」

 
そんな雰囲気があると、会社は成長しません。

一度、客観的に点検してみましょう。
 

 
 
 
 

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