「終わりました」
ある日、T社長からの連絡が入りました。
私がお願いしていたことが終わったという連絡でしたが、
私自身…、
この連絡を信じていませんでした。
というのも、
T社長とのやり取りで分かったことがあるからです。
それは…、
”T社長自身では、中身の確認を一切していない”
ということです。
私がお願いしたことを、
社員に丸投げし、
社員からの終わった報告を受け、
そのまま私に連絡してきているのです。
ひとつのお願いごとに対して、
3回目の「終わりました」報告でしたが、
中身を確認すると…、
今回も出来ていませんでした…。
T社長の仕事ぶりは、
よく言えば、
”社員を信用している”
悪く言えば、
”無責任”
私の印象としては、
どちらかというと…、
無責任に感じるものでした。
もちろん、
社長業が忙しいのは重々承知しています。
「そんなチェックまでやってられない!」
そういうこともあるでしょう。
しかしながら、
T社長の無責任な仕事ぶりが、
社員の仕事ぶりに影響しているのです。
ちょっと話の角度は変わりますが、
従業員の不正問題が出るか否かは、
責任感の有無が大きく影響していると考えています。
たとえば、
預金通帳について。
私は、クライアントのみなさまには、
”毎月1日に、預金通帳のチェックをすること”
をオススメしています。
毎月1日だけでなく、
複数回チェックすることが望ましいですが、
最低でも、1ヶ月に1回はチェックする。
そこには、
”会社は、お金がなくなったときに倒産する”
責任を持って経営するためには、
預金残高の定期的なチェックが必要である、
という意味合いがありますが、
それだけではありません。
「預金通帳をチェックしているぞ!」
という社員へのアピールの意味もあるわけです。
社長がチェックしていることが分かれば、
魔が差す…なんてことも減りますよね。
私が見る、T社長の仕事ぶりは、
”預金通帳をチェックしていないようなもの”
「どうせ社長もチェックしてないし…、適当にやっておけばいいんじゃないの」
T社長の職場の雰囲気からは、
こんな空気を感じるのです。
まぁ…、
T社長も、
薄々、この空気を感じていたからこそ、
シンボリック経営®で変えたいと思ったのでしょう。
ということで、
T社長には、
無責任である旨を伝え、改善のお願いをしました。
”指揮官先頭”
T社長自身が、
まずは責任感を持って、仕事をすること。
経営者が変わらなければ、
何も変わりません。
経営の神様である、松下幸之助さんは、
こう言っています。
「責任を問われるところに生きがいがあり、
人としての価値もある」
とかく、
責任を負うのをイヤがる風潮がありますが、
責任を問われることが大きければ、大きいほど、
それだけ価値が高いことをやっている、
ということであり、
そこに、
働きがいや、やりがいがあるわけですよね。
そのためには、
以下のことが重要な要素と考えています。
・ダブルチェックをやらない。
業種によっては、ダブルチェックが必須のところもありますが、
なるべくならやらない。
誰かが見てくれる…と思うと、
気の緩み・甘えが出るからです。
・責任範囲の明確化は諸刃の剣。
責任範囲を明確にすると、無責任社員が増える。
皮肉なものですが、
責任を持たせるために、責任範囲を明確にしたことで、
”自分の責任の範囲しかやらない”
そんな社員が出てきます。
大切なのは、”責任感を持つこと”
会社のミッション・ビジョンなどの存在意義をしっかり伝えることが
重要になってきます。
・褒めること。
いい仕事をしたときには、心から褒める。
褒められればやる気が出るのが人間ですよね。
また、成果を出した分、経済的な幸せを還元することも大切です。
ということで、
あなたの会社では、
責任を持つことが、働きがいや、やりがいにつながっていますか…?
「責任だけ負わされて、やってられない!」
そんな雰囲気があると、会社は成長しません。
一度、客観的に点検してみましょう。
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