20通目:真面目な社長ほど深刻になってしまう。深刻は負のサイクルの入り口。

B!

 
「もう、どうしたらいいのか…」
飲食店経営のT社長は、かなり参っている様子…。

オミクロン株による感染拡大を受け、
再びの、まん延防止等重点措置の適用決定に
頭を抱えています。

 
T社長は、
コロナという大きな外部環境の変化に対応する中で、

”会社を経営するということ”

これについて考え、悩み、
ほとほと疲れきってしまったようです。

 
特に資金繰りは大変で、
これまでの蓄えを切り崩し、
何とか乗り切っている状況です。

 
T社長は、本当に真面目な性格で、
私がアドバイスしたことは、
ほぼ確実にこなしてきました。

  
たとえば、資金繰りについても、
次のようにアドバイスしてきました。

 
「T社長、資金繰り対策というのは、
何をやることだと思いますか?」

 
私の漠然とした質問に、
答えに困るT社長。

「資金繰り対策ですから…、
銀行対策とか、資金繰り表をつくるとか…、
そういうことですかね…」

何とか答えを捻り出したT社長に、
私はこう答えました。

 
「もちろん、それも大切なことですよね。
でも、もっと簡単に考えましょう。

資金繰り対策でやるべきことは、

”資金繰りを考えなくてもいい状態にすること”

極端な話、毎月1日に、銀行残高をチェックすれば済む、
そんな状態をつくることだと思うのです。

つまり、身も蓋もない話ですが、
安心できるキャッシュを貯めることです。
T社長は、いくら口座にあったら、本業に集中できますか?

このいくら…というのは、
資金が一番ボトムになるときが基準です。

資金が一番ボトムになるのは、一般的には給料日後ですから、
給料日後の残高で、どれぐらいあればいいのか?を考えて、
それを目標に貯める。これが資金繰り対策です。

お金に不安があると、
どうしても資金繰り第一主義になってしまい、
いい仕事が出来なくなりますからね」

 
この話を聞いたT社長は、
目標値を決め、私と2人で対策を考えながら、コツコツと貯めていきました。

数年後には目標を上回るキャッシュを貯めていたのですが、
このコロナ禍で、みるみる減る残高…。
通帳を見るのが怖くなり、参ってしまっていたのです。

 
お金が減る恐怖…、
これは経営者なら誰しも経験していると思います。
もちろん私もです。

夜も眠れない…というのは、本当にあるんだな…、
そう実感したのは、一度や二度ではありません。

 
だから、
T社長の気持ちは痛いほど分かるのですが、
あえて、私は言いました。

 
「T社長、深刻になるのは分かりますが、
ちょっと表に出過ぎですね。
それでは社員たちが不安になりますよ。
経営者は深刻になるよりも、真剣になることが大切です。
深刻になったら…、ホントに終わりますよ。

”前向きなところにしか答えはない”

おいしい食事を提供して、
お客さまに喜んでいただき、
給料として社員にも還元し、

そのうえで、
会社のために、コツコツとキャッシュを貯めていた
あの真剣さを、もう一度思い出しましょう。
真剣な姿があったから、社員もついてきたんだと思いますよ」

 
もちろん、精神論だけではどうにもならないこともあります。
しかし、精神論が必要なときも、間違いなくあるのです。
 
”深刻になるより、真剣に”
これも、精神論ですが、
この言葉を聞いたT社長が、ハッとしたのを
私は見逃しませんでした。
これ以降、悪い意味の深刻さは消えたのです。

 
私のようなコンサルタントは、
言い方を変えれば、”経営者のコーチ”です。

実際に経営をするのは社長ですが、
それが良くなるように導くのが、コンサルタントの仕事です。

 
そのためには、”言葉のチカラを磨くこと”
これは、本当に重要なことだな…、
T社長との会話から、改めて思いました。

 
言葉のチカラを磨く必要があるのは、
社長も同じですよね。

社長は、社員のコーチ。
どんな言葉を掛けるかで、仕事の成果は変わってくるからです。

  
経営という仕事は、

1.企業の方向付け

2.資源の最適配分

3.人を動かす

この3つですが、
人を動かすのは、言葉のチカラが大きい。

”あなたは普段、どんな言葉を社員に掛けていますか?”

その言葉の元になるのが、会社を象徴するシンボリックです。
シンボルの在り方ひとつで、
話す言葉が変わってくるから不思議です。

 
もしも…、

何も考えずに話しているとしたら…、
ちょっとキケンです!

これを機会に、
”言葉のチカラ”を考えてみてください。 

 

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