「アシスタントは、もう二度と経験したくない」
日経MJ新聞に載っていた美容師の言葉です。
日中は、ほぼ立ちっぱなしの仕事。
お店の営業終了後は、自主練に明け暮れる。
自主練の美容資材については、全部あるいは一部自己負担、
もちろん残業代は出ない。
いわゆる、
”長年の慣習”
「オレたちもそうやってきたんだ。頑張れ!」
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、
理美容師の平均年収は、約370万円。
一般労働者の平均年収である約330万円を、わずかに上回る水準…。
もちろん、
カリスマ美容師になって、
爆発的に稼ぐ人もいることにはいますが…、
希望がある反面、その厳しい現実から、
離職率が高い業界のひとつになっています。
最近では、
その現実を知っているからか…、
国家資格である美容師免許を取得しても、
すぐには美容師にならない人の割合が、
”21.4%”(2025年:ホットペッパービューティーアカデミー調べ)
過去5年で最高とのこと。
ただでさえ、人手不足の時代。
潜在保育士の活用が問題になっているのと同様、
潜在美容師の活用がひとつの突破口になるのは
間違いありません。
では、
そもそも何が問題なのか?
先に触れた慣習がひとつの原因であることは
間違いないでしょう。
・長時間労働
・厳しい徒弟制度
・低賃金
・教わらない文化(見て学べ!)
・夢を持って入ったのに、心が折れる日々
こうした構造的な問題が、
業界全体の負の象徴になってしまっているのです。
しかしながら、
すべての美容室オーナーが、
その慣習に甘んじているわけではありません。
先日の日経MJでは、
人材の確保、
そして、
獲得した人材が長く働き続けるための慣習の打破に
動いている例が取り上げられていました。
・日曜・祝日を定休日にして、スタッフの生活を尊重する。
・メンズパーマに特化し、強みを明確化。
研修部門を設置し、営業時間内に徹底指導。
・正社員、パート、業務委託などから自由に選べる。
これらは一見、
”働き方改革”や、”サービスの差別化”に見えるかもしれません。
しかし、
もう一歩踏み込めば、
それは、
“経営姿勢の象徴化”に、ほかなりません。
たとえば、
日祝定休や、働き方を選べる制度は、
”スタッフの人生を尊重する文化”
を象徴し、
採用力・定着率の向上につながる。
研修制度の充実は、
”人を育てる会社という誇り”
を象徴し、
新入社員の安心感につながり、
早期の退職を防ぐことが出来る。
それと共に、
お客さまには、
”技術の統一、バラツキを防ぐ”
を象徴し、
不安を取り除くことが出来る。
つまり、
これらは、単なる制度の話ではないのです。
あなたの経営の姿勢を、
スタッフにも、お客さまにも、
伝わる形で表現したものなのです。
これこそが、
”象徴で経営を変える = シンボリック経営の実装”
ということです。
「いやいや、
うちの会社でも、もちろんやってるけど、
その割には、離職率は下がらないよ…」
中には、
そんな人もいるかもしれませんね。
その場合は、
制度の不備ではなく、
”制度の意味が伝わっていない”可能性が高いです。
たとえば、
単純に日祝定休です、ではなく、
”家族との時間を大切にする職場です”
あるいは、
単純にに研修制度があります、ではなく、
”あなたを一人前、そして、一流にする仕組みがあります”
その制度の裏にある背景、物語を
あなたが語れるか否か?
理念・戦略・文化・制度のすべてが、
”象徴として機能している”からこそ、
人が辞めず、ファンが増え、ブランドが築かれるのです。
そして、
これが大切なところですが、
美容師業界の課題は、その業界特有の問題ではありません。
今後、すべての業界で
”人が辞めない職場文化”
これが競争力になるはずです。
さて、
あなたの会社には、”辞めない理由”はありますか?
新入社員が、”夢を追い続けられる仕組み”はありますか?
経営の姿勢が、“カタチ”になって見えていますか?
人が辞めたくなる業界を、
人が辞めたくない業界に変える。
それには、
制度をつくるだけではダメで、
あなたの経営姿勢を象徴化できてこそ、実現できるです。
”あなたの会社にも、シンボリックを!”
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