「ほぼ同じものを売ってるのに、この差は何なんだろう…?」
半世紀もの間、10万円の差が埋まらない。
何の話かというと、
”コンビニの日販”
コンビニの3強である、
・セブン‐イレブン
・ファミリーマート
・ローソン
それぞれ日販は、
・セブン‐イレブン:69万1千円
・ファミリーマート:56万1千円
・ローソン:55万6千円
セブン‐イレブンの独走が、
半世紀続いているわけです。
理由のひとつとしては、
いわゆる、
”先行者利益”
セブン‐イレブンが、
日本初のコンビニというわけではありませんが、
参入時期が早く、
認知度を高めた存在であることは間違いありません。
そして、もうひとつ。
これは、
私の師匠から教えてもらったことですが、
”徹底の差”
セブン‐イレブンは、
やることは、徹底してやるのです。
たとえば、
もうしばらくすると、
夏休み・お盆休みになりますよね。
師匠のオフィスの近くには、
セブン‐イレブンの本社があるのですが、
なんと、
夏季休暇の日程を聞きに来たそうです。
おそらく、
師匠のオフィスだけでなく、
近隣の企業に聞いているものと思われますが、
理由はもちろん、
”弁当類の発注”
これに影響するからですよね。
オフィス街のセブン‐イレブンであれば、
企業の夏季休暇によって、
来客数はかなり変わってきます。
近くには、
セブン‐イレブン以外にもコンビニはあるそうですが、
聞きに来たのはセブン‐イレブンだけとのこと。
「まぁ、この時期は休みでしょう…」
そう思い込みでやるのと、
実際にヒアリングして確かめるのとでは、
結果に大きな差が生まれるのは
言うまでもありませんよね。
ということで、
ここで、問いをひとつ。
”あなたの会社では、徹底してますか?”
素晴らしい技術や、
面白いアイデアを持っていたとしても、
それを徹底してやらなければ
思ったような成果は上げられません。
もう少しツッコんだ話をすれば、
”徹底する社風になっていますか?”
もちろん、
セブン‐イレブンも、
すべての店舗で徹底できているか…と言われれば…、
運営するのは人であり、
フランチャイズオーナーの気質にも
左右されるでしょう。
不快な思いをすることもありますが、
その確率は低いというのが
私自身の印象でもあります。
つまり、
徹底を積み重ねた差が、
日販10万円の差になっているわけです。
この徹底の元になっているのは、
惜しくも昨年亡くなられた
創業者である伊藤雅俊さんにあると思われます。
伊藤雅俊さんの著書
”商いの道”
には、
お母さまの、こんな教えが書いてありました。
”お客さまは来てくださらないもの”
明治から商人の道を歩んできた伊藤さんのお母さまは、
戦争・関東大震災などで、店がなくなること3回。
およそ20年ごとに振り出しに戻されては、
その度に、不屈の精神で復活してきた筋金入りの商人です。
そんな、
伊藤さんのお母さまは、
「ご近所あっての羊華堂だから、
周りにほこりをたてないように、打ち水をしなさい。
そして、何よりお客さまを第一に考えなさい。
お客さまあっての羊華堂ですから」
気配りのできる、
お陰さまの精神を忘れなかった人だったそうです。
そのほかにも、
「お客さまがいらっしゃらないときでも、”座ってはいけない”」
営業中に、座ることを禁じました。
お客さまがいらっしゃったときに、
すぐに対応できる態勢を整えておきなさい。
まだお見えにならないお客さまのことを考えながら、
立って待っていなさい。
”お客さまは来てくださらないもの”
そう思えばこその教え。
徹底していますよね。
この教えが素晴らしいのは、
具体的な行動に落とし込んでいるという点です。
「お客さまを大切にしなさい」
「お客さま第一主義でいきましょう」
これを言われた社員は、
その ”意味は分かる” と思いますが、
その ”意識まで” 伝わるかどうかは…、
疑問ですよね。
よく社長が、
「私の想いを、まったく理解してくれないんだよね…」
そうぼやくことがありますが、
これはある意味、当たり前なのです。
なぜなら、
誤解を恐れずに言えば、
「社長の想いなんて、知ったこっちゃない!」
これが社員の本音なんですよね。
企業の経営理念が、なかなか浸透しないのも同じこと。
意識を変えるのは、容易なことではないのです。
だから、
想いを伝えつつも、行動に落とし込む。
行動から変えていくのです。
伊藤さんのお母さまの場合は、
”座らない”
という行動。
座って、ゆっくりお茶でも飲みながら待っているのと、
お客さまのことを思い描きながら、立ったまま待っているのとでは、
お客さまが来てくれたときの対応が変わってくるは、
至極当然の流れといえます。
ということで、
”徹底すること”
そして、
”具体的な行動に落とし込むこと”
これが、
シンボリック経営®の肝となる、
あなたの会社を象徴するものになるのです。
あなたの会社の本当の実力を
徹底の差で発揮していきましょう。
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