107通目:絶対に名前を間違えない方法。

B!

 
「名前を間違って送るんだよね・・・」
ある経営者の集まりで、気心の知れたS社長がポツリ。

 
これは、

社員が送るメールの話。

 
どうやら、

相手の名前の漢字を、間違って送ることが多いようなのです。

 
私は、S社長に聞きました。

  
「社員には、どんな風に注意したの・・・?」

 
気心の知れた相手です。

分かり切ったことを聞くなよ・・・そんな空気を感じながら・・・、
S社長は答えます。

 
「それは・・・、

名前を間違えるのは失礼だから、
何度も確認してから送りなさい、だよ」

 
この答えを聞いた私は、

 
「それでは、また間違えるよ」

 
なんで・・・?という顔をするS社長に、
続けて言います。

 
「だって、その社員は、たぶん確認してから送ってるはずだよ。

もちろん、S社長から見たら、チェックが甘いのかもしれないけど、
それでも確認はしてるはず」

 
 
「その人に対して、もっと確認しろ・・・というのは、
あんまり意味がないし、社員は社員で、

”確認してるよ!!!”

そんな逆切れをしているかもしれない(笑)」

 
 
「それよりも、具体的な行動を指示してあげないと。

たとえば、うちの場合だったら、

”相手から届いたメールの署名欄をコピーすること”

こういうルールにしてるよ。
相手から届いたメールの署名欄なら、絶対に間違えないよね」

 
 
「とはいえ、
   
署名欄がない場合もあるし、
一発目のメールが、こちら発信の場合もある。

その場合は、そもそもコピーするものがないから、
慎重に確認してから送るように指示してるよ」

 
 
「そうすることで、

”どういう場合には、より慎重に確認すべきか”

これが、明確になるので、ミスも少なくなると思うんだよ」

 
 
私の話を聞いたS社長は、

  
「ふ~ん、そんなもんかね・・・」

 
まんざらでもない顔をしながら、
メモっている・・・(笑)

  
今回は、たまたま私が教えた格好になりましたが、
いつもはS社長から教えてもらうことの方が多い。

お互いに切磋琢磨できる同志がいるというのは、
有難いことです。

 
ということで、

 
大切なことは、

 
”具体的な指示を出すこと”

 
つまりは、

 
”仕組み化”です。

 
Amazonのジェフ・ベゾス氏も言っています。

 
「繰り返される問題や、何度も何度も起こる事象を発見したとき、
私たちは、往々にして、チームを集めて、
もっと頑張るように、もっとうまくやるようにと要求する。

本質的に、人々の善意を求めるわけだが、
これでうまくいくことはめったにない。

何かを実現するには、優れた仕組みが必要だ」

 
相手の善意に期待して、

  
「あれだけ言ったんだから、きっとやってくれるだろう・・・」

 
これはキケンなのです。

 
もちろん、

自主的に、率先して、
いろいろ動いてくれる社員がいる会社もあるでしょう。

 
しかし、

 
誤解を恐れずに言えば、

 
それは、

 
”奇跡!!!”

 
一般的には、
なかなか、そんな社員には巡り合えません。

  
これは、社員が悪いのではなく、
それが普通なのです。

 
大切なことは、
最初から善意を期待するのではなく、

まずは、

仕組みをつくり、
その仕組みを浸透させること。

 
そして、

仕組みをつくることが、
その企業の文化・風土になったとき、
はじめて善意が期待できるのだと思います。

 
 
シンボリック経営®では、
その文化・風土をつくっていきます。

文化・風土をつくるのは、簡単なことではありません。
時間も掛ります。

 
だからこそ、

 
”文化・風土が育った会社は強い!”
きっと、仕事も楽しくなるはずです。

 
ということで、

 
あなたの会社では、
社員の善意に頼っていることはありませんか・・・?

 
それは、いつか必ず破綻します。

そうなる前に、
その善意を仕組み化していきましょう。

 
あなた自身は、言うまでもないと思っていることでも、
言わないと分からない、言われても分からないことがあるのです。  

 
 
 
 

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