「なんだかうまくいってないんですよね…」
お客さまであるM社長が呟きました。
M社長の会社であるT社は、
今期の前半は絶好調。
当初の予定を上回る契約数を獲得していました。
しかし…、
その勢いが、
後半になると失速…。
黒字と思われていた業績が、
損益分岐点近くまで落ち込んでしまったのです。
M社長は言います。
「組織づくりをしっかりやってきたし、仕事は回るはず。
事実として、前半は良かった。
それがなぜ、後半はダメなのか…」
私は、M社長の話を聞きながらも、
原因の見当はついていました。
この原因については、
いまから7ヶ月ぐらい前に遡ります。
M社長から、
ある相談をされたのです。
その相談とは…、
「所属している経営者団体の役員を頼まれてしまいました。
お世話になっている方からの依頼なので、
無下に断るわけにもいかず…、ちょっと悩んでいます…」
私は言いました。
「M社長、その役員というのは、どういった活動をするのですか?
経営者団体ということは、勉強会や交流会の開催など、
いろいろとやることが多そうですが、
どれぐらいの時間を費やす感じでしょうか?」
少し困った表情をするM社長。
「勉強会や交流会は毎月あります。
そのための準備に、毎週打ち合わせがあるとは聞いてます…」
この答えを聞いて、
私は言いました。
「であれば、いまは断った方がいいでしょうね。
おそらく、かなりの時間を奪われることになります。
T社は5期目の若い会社です。
これまでの努力が成果につながり始めたいま、
M社長の時間が奪われるのは厳しいです」
「シンボリック経営®も導入したばかりで、
まだまだこれからです。
M社長の考えが、社員に浸透しているとは言えません。
いまはまだ、社長の存在が必要なんです」
「いまの会社の現状をお話しして、
いまはお受けできる状態でない旨、お話してみてください。
私のせいにして構いませんので」
そんな話をして、
断るように促したのですが…、
どうやら、
M社長は断れなかったようです。
まぁ…、
断るというのは、
言うのは簡単、実行するのは難しい…。
私自身にも、心当たりがあります…。
ということで、
役員となってしまったM社長は、
案の定、多くの時間を奪われることになったのです。
その結果、
T社にかけるパワーが減りました。
これが、
そもそも社長との接点が薄い大企業であれば
役員を引き受けても問題ないのですが、
社長の存在が近い中小企業では、
大きな問題なのです。
組織づくりをやってきたとM社長はいいますが、
その組織も、
”M社長あってこそ”
M社長のパワー・エネルギーで
引っ張っていたのです。
また、
”組織は戦略に従う”
アルフレッド・D・チャンドラー氏の言葉ですが、
M社長の頭の中にある戦略自体が、
まだまだ曖昧であることも、原因のひとつです。
曖昧なものは、当然ながら、曖昧に人には伝わります。
私の話を聞いて、
M社長は納得したようです。
「確かに…、
自分の会社にかける時間が減るとともに、
自社にかけるパワーも減っていたように感じます。
自社と経営者団体、どちらが大切なのかを
見失っていました」
しかしながら、
役員を引き受けてしまった今、
時間がない云々は言ってられません。
まずは時間配分から考え直しています。
それと同時に、
シンボリック経営®では、
社長に依存しない組織をつくるために
企業戦略も考えていきますが、
M社長の頭の中にあるものを改めて整理しています。
多くの中小企業は、
社長のパワー・エネルギーに頼っています。
もちろん悪いことではありませんが、
シンボリック経営が目指す、
長く愛される企業をつくるためには、
どこかで方向転換が必要です。
あなたは、
M社長のように、他のことで時間を奪われていませんか?
時間を奪われたとしても、業績が上がる組織になっていますか?
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