今週の提言(コラム)
Symbo からの手紙 ~シンボリック経営の視点~

 
とても暑かった、ある夏の日の面談。

水滴のついたグラスを、自身のハンカチで拭きながら、
ようやく一口飲んだH社長。

少し落ち着いたのか、
ゆっくりと話し始めました。

 
「マネジメントに専念したいんですが、
プレイングマネージャーから抜け出せません。
営業も私がいないと、どうにもうまくいかないので…」

 
社長としての苦悩を話してくださるお客さまからは、
何とかしなければ…という問題意識とともに、

どこか嬉しそうな…

そんな印象を受けてしまいました。

 
誰でも、
誰かから必要とされる、
求められることは嬉しいことです。

「私がいなければ…」

そう思わせてくれる現場があることは
とても幸せなことですよね。

 
「幸せだったら、今のままでも…」

もちろん、
プレイングマネージャーが悪いわけではありません。
それも社長としての、ひとつの在り方です。

 
しかし、
このH社長には、夢があったのです。

「関連会社をつくって、事業規模をもっと大きくしていきたい!」

そのためには、
プレイングマネージャーでは
どうしても限界があります。

 
なぜなら、
社長には、社長にしかできない、
経営という独立した仕事があるからです。

 
”経営という仕事”

それが、

・企業の方向付け

・資源の最適配分

・人を動かす

この3つを長期的な視点で捉え、
いま、何をやるべきかという短期的な視点に落とし込むこと。

 
実際にやっている社長のみなさまなら
私が言うまでもなく、
その大変さが身に染みていると思います。

 
しかも、
関連会社までつくってとなれば、
これが複数…、

経営に専念しなければならないというのは、
至極当然なわけです。

 
ですが、

お客さまには
それが出来ない事情がありました。

 
それが、

「あなた(社長)に頼みたい」

そのお客さまのクライアントは、
仕事を、会社ではなく、
社長個人に頼んでいた、

正確に言えば、
社長個人に頼んでいるつもりだったからです。

 
とはいえ、

社長の体はひとつですから、
実際には、スタッフたちが動き、
会社(チーム)として仕事をしているわけです。

 
社長でなくても、対応できる部分はあるのですが、

”社長が仕事を獲ってくる”

いわゆる、カリスマ社長タイプの経営、
社長の信用で仕事を獲ってくる経営をしていたため、

「あなた(社長)に頼んでいるんですよ!」

そんなクライアントからの
目に見える圧、見えない圧もあり、

「あなたの会社に頼みたい」

この状態に移行が出来ていなかったのです。

 
企業には、成長のステージがあって、
創業期は、カリスマ期でなければなりません。

社長がカリスマとなり、
企業を引っ張り、お客さまを獲得していく。

社長が前面に出ていかなければ、
創業期を乗り切れるはずがありません。

 
しかし、

どこかのタイミングで
社長個人から会社を象徴するシンボル中心に
シフトチェンジしていかなければ、
社長個人に依存した組織となり、
社長の退任と共に、衰退していくだけ…。

 
「それでいいんだ、オレの代で会社はつぶす!」

それであれば、
カリスマ型を推し進めればいい。

異論はありませんが、H社長は違いました。

 
事業規模を大きくして、

”長く続く成功”

”長く愛される会社”

これらを目指していたのです。

 
だから、

どこかの段階でのシフトチェンジは
必須なわけです。

私はすべてを知ったうえで、
あえてこう言いました。

 
「H社長が、いま現在、幸せを感じているのなら、
無理して変える必要はないですよ。

従業員を抱えて、きちんと給料を払って、生活を守っている。
いまでも充分、立派な経営者だと思います。

でも、H社長は、現状に満足していなかったはずですよね?

事業規模を大きくして、もっと売上を上げたい。
そのために、カリスマ経営から脱却し、
会社としてのステージを上げ、会社に仕事が集まる仕組みをつくりたい。
そのために力を貸してほしいということでしたよね。

私はここでやめてもいいんですよ。
何かを変えることは、コワイことですからね。

やるか、やめるかを決められるのは、H社長だけです。
やるとなったら、私は全力でサポートするのみ。

さぁ、どうしますか?」

 
するとH社長は、

ちょっとムッとされたのか、
みるみるうちに顔が赤くなり、

「村田先生は…、イヤなことをズバリ言いますね…。
でも、目が覚めました。さっきの言葉は忘れてください。

日々の仕事をこなしているだけで、仕事をした気になってました。
これからは、経営者としての仕事をします!」

 
そこには、経営者とコンサルタントの
本気の闘いがありました。

 
覚悟が決まると、行動も早くなる。
H社長は、経営者としての階段を、
またひとつ上がったのだと思います。

本当に素晴らしい経営者です。
きっと成功を手に入れるでしょう。

 
ということで、

”人間は、変えることに恐怖を覚える”

特にそれが、
居心地のいい場所であれば尚更です。

 
「面倒くさいし…変えて失敗したらイヤだし、
今のままでも…いいかな…」

この心の声は、
とてつもなく大きいです。

 
しかし、
居心地のいい場所は、
”人間としての成長を止める場”でもあります。

 
心の声に打ち勝ち、
そこから脱した者だけが、
新たな世界を知ることが出来るのです。

 
”現状維持は衰退の始まり”

いまの自分が、5年後の自分をつくるように、
いまの社長の決断が、あなたの会社の5年後、10年後を変えるのです。

あなたは、居心地のいい場所に留まっていませんか?

 

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